2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K14280
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
社本 陽太 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (50823647)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頂点作用素代数 / 共形場理論 / 不確定特異性 / 線形微分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は, 前年度に得られた理解である, 不確定特異型の頂点作用素「代数」を構成するという目標から, 不確定特異型の「加群」を研究するという目標へのシフトに基づいて研究を進めた. 特に, それらの加群の間の絡作用素(Intertwining operator)という対象を研究した. これは, 加群等の間の写像(より正確には, 射)に相当するものと考えることができる. 加群が不確定特異性を持ちうるような対象の場合, その間の射についても, 必ずしも有理的ではない, 真正特異点を持つような複素関数を扱う必要が出てくる. その結果として, ガイオット・ステートと呼ばれる対象を, コスタント埋め込みをD加群に拡張することで, 解釈し直すという知見を得た(池田氏との共同研究). さらに, この埋め込みを通じて解釈することで, 古典的な結果である絡作用素と共形ブロックの間の関係を, ある種の不確定性を持つ加群の3対に対して拡張することができた. また, 共形余不変量の理論をD加群的な観点から見直すことで, 共形余不変量のある種の有限性について, 別の証明を与えることができた. この方法を拡張することで, 従来よりもより広いクラスの加群について, その有限性を示すことができると考えているが, わかりやすい結果にするための試行錯誤をしている段階である. 最後に, 遮蔽作用素を用いた, 微分方程式の解の積分表示について, これもD加群的な観点から共形余不変量を見直すことで, 別証明を得た. この観察を, 他の例に対しても拡張することも計画している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
部分的な結果や理解については, 当初期待したよりもう良い進展が見られるものの, いずれも散発的な結果であり, それらを統合して, 一つの明確な論文としての結果にまとめ上げる段階で, 不満が残る. 目に見える成果物を出せていない点も, やや遅れているとした理由である. また, 新型コロナウイルスによる移動の制限等により, 共同研究者との議論が密に行えなくなってしまった点も, これまでに得られた結果をまとめるための議論に遅れが出ている一つの要因と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
散発的にではあるものの, 良い結果が少しずつ積み重ねられてきているので, 遅れは見られるものの, 焦ることなく自分なりの理解を積み上げていきたい. 特に, 共同での仕事がしにくくなってしまったので, その点を改善するために, 共形場理論の当初の目的だけでなく, 自身の得意とする別の分野との関連などにも視野を広げて研究を行いたい.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により, 国内, 国外ともに研究集会等への移動費, 宿泊費が大幅に削減されたため. 今年度より, 状況が好転すれば, 出張等を再開する. また, オンラインによる交流のための機材や他分野の専門家との交流の機会の減少を埋め合わせるため, 書籍, 電子書籍の購入等を進める.
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Research Products
(1 results)