2022 Fiscal Year Research-status Report
Weight modules and crystal bases for quantum symmetric pairs
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20K14286
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡邉 英也 大阪公立大学, 数学研究所, 学振特別研究員 (10848782)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 量子対称対 / 標準基底 / 結晶基底 / 安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子対称対の標準基底の安定性に関する研究を行った。その結果、標準基底の安定性は、対応する量子群の特定の形の既約表現から自明表現へのi量子群の表現としての準同型写像が "based" であることと同値であることがわかった。さらに量子対称対を有限型実階数1のものに制限して考察を進めることで、後者の命題が真であることを証明した。 前年度までの研究で、標準基底の安定性は、結晶基底の理論と深く関係していることがわかっている。実際、結晶基底の理論を応用することで標準基底の安定性を証明することができる。一方で、有限型実階数1の量子対称対のほとんどは、未だ結晶基底の理論が構築されていないクラスである。従って、上記の標準基底の安定性は、有限型実階数1の量子対称対にも自然に結晶基底の理論を構築できる可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
量子対称対の標準基底の安定性について考察することで、結晶基底の理論をより広いクラスの量子対称対に拡張する糸口が見つかった。残る課題は、実際に結晶基底の理論を拡張することと、さらに一般的な量子対称対について標準基底の安定性を証明することである。
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Strategy for Future Research Activity |
有限型実階数1の量子対称対の標準基底の安定性を用いて結晶基底の理論を構築する。従来の理論とは異なる定式化が必要なため、まずはAII型という具体例で試みる。 続けて、上記の結晶基底の理論の一部を応用して、標準基底の安定性定理を、局所有限型の量子対称対にまで一般化する。
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Causes of Carryover |
本研究課題で開催した国際研究集会へ招聘する予定だった研究者が参加をキャンセルしたため。翌年度の学会等への旅費に充てる。
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