2022 Fiscal Year Annual Research Report
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20K14289
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
加藤 正輝 富山高等専門学校, その他部局等, 助教 (70834399)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多重ポリログ関数 / 2-パラメータ変形 / q-類似 / ルート系 / q-超幾何関数 / 多重ゼータ値 / q-差分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は, 先行研究において多重ゼータ値の2 パラメータ変形とみなすことができる積分I_nを導入した. 本研究の目的は, 多重ゼータ値に関するさまざな研究結果が, 積分I_n にどのように一般化されるかを調べること, そして, 得られた結果の数論等への応用について研究することである. 研究期間を通して得られた成果は次のとおりである. (1)ルート系のゼータ函数のq-類似, 楕円類似: 小森・松本・津村によって導入されたルート系ゼータ函数の$q$-類似, 楕円類似を導入し, その性質を調べた. Weyl 群対称性を持つ和の積分表示, Witten の体積公式の明示公式やいくつかの函数等式は, q-類似の場合に一般化できる. また, Macdonald (1972) が, ルート系に付随する Poincare 多項式の因数分解公式を導くのに使用した恒等式を用いることで, 前二者の性質は, 楕円類似に対しても成り立つ. (2) 和の母函数の満たすq-差分方程式: 多重ポリログ函数の2-パラメータ変形の和の母函数の満たす q-差分方程式が, 摂動法と従属変数のゲージ変換, Heine 変換公式を用いて解くことができることを示した. この結果は, Kajihara-Noumi の双対変換公式を用いることで一般化できる. (3) 多重ポリログ函数の2-パラメータ変形のparity result: 多重ゼータ値や多重ポリログ函数の満たすparity result を2-パラメータ変形の場合に一般化した. 三角極限や古典極限をとることで, parity result のq-類似や楕円類似が得られる.
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Research Products
(3 results)