2022 Fiscal Year Research-status Report
K3 surfaces and Calabi-Yau varieties from a inseparable viewpoint
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20K14296
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松本 雄也 東京理科大学, 理工学部数学科, 助教 (50773628)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特異点 / 商特異点 / 群スキーム / K3曲面 / アーベル曲面 |
Outline of Annual Research Achievements |
K3曲面の有名な例の一つとしてKummer曲面があり,これはアーベル曲面を-1倍写像(が生成する位数2の群)で割って特異点を解消して得られる曲面をさす. μ_pおよびα_pという正標数特有の有限群スキームを用いて正標数の代数多様体の非分離な被覆を構成する手法がある.代数多様体として有理二重点をもつK3曲面を考えると,標数および有理二重点の個数に応じて被覆の数値的性質が変わる.被覆がK3曲面と同じ数値的性質をもつ場合については以前の研究で扱った.被覆がアーベル曲面と同じ数値的性質をもつ場合は,このK3曲面をKummer曲面の非分離類似と考えることができる.従来の意味でのKummer曲面が標数2かつ超特異になることはないのだが,この非分離類似においては標数2かつ超特異なK3曲面が現れる. さらに,K3曲面のNeron-Severi格子により強い条件を課した場合に,被覆がアーベル曲面と同じ数値的性質をもつのみならず群構造をもつことがいえるのではないかと考え,証明を模索している. 標数0のKummer曲面の標数pへの良い還元への応用について述べる.p≠2の場合には,Kummer曲面が良い還元をもつことと,そのガロア表現がよい性質をもつことが同値であることが知られており,証明は対応するアーベル曲面の良い還元を経由するものだった.今回の構成を応用してp=2の場合にも同様の結果が成り立つことを証明し,論文を投稿した. そのほか,これまでの研究成果の論文のいくつかが受理・出版された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正標数のKummer曲面の非分離類似について満足のいく進展を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きK3曲面やCalabi-Yau多様体への群スキーム作用や商を調べる.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で,国内外への出張が少なかった.感染が終息したら出張を増やす.
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