2020 Fiscal Year Research-status Report
Stratification of Cohen-Macaulay rings
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20K14299
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
遠藤 直樹 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (30782510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Almost Gorenstein環 / Gorenstein環 / Cohen-Macaulay環 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代可換環論の研究領域は多岐に渡るが,本研究では「Cohen-Macaulay環の階層化問題」に従事する。即ち,可換環論の中でも最重要の研究対象であるCohen-Macaulay環に対して,新たな環のクラスを提示し,Gorenstein性との差異を指標とした階層化を通して,可換環論に新たな展望を齎すことを目標とする。本研究において,研究代表者が新たに提案するn-almost Gorenstein 環は,Gorenstein 環,almost Gorenstein 環の概念を自然に含んでおり,Gorenstein環とCohen-Macaulay環の間のきめ細やかな階層化を与えるものである。
2020年度は,1次元n-almost Gorenstein環の基礎理論構築に従事した。具体的な課題としては,まず定義の有効性を確かめるという意味でも,Gorenstein 環,almost Gorenstein 環に対して成立する結果の再検証を行った。つまり,イデアル化やファイバー積を用いた n-almost Gorenstein 環の構成法,行列式環や数値半群環に関する n-almost Gorenstein 性の判定法を与え,Gorenstein 環,almost Gorenstein環に対する結果を包括するものであることを確認した。その上で,これまでの枠組みでは解明が困難であった数値半群環の定義イデアルの挙動解析に対して,n-almost Gorenstein環論という拡張を用いることで,その解決に挑戦した。特に,極小自由分解によるn-almost Gorenstein 性に関する構造定理を発見し,その帰結として数値半群環の定義イデアルに関する大きな進展が得られた。
研究代表者は,2020年4月と10月に開催されたアメリカ数学会に出席し,成果発表,情報収集,及び研究連絡に従事した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,出席を予定していた国内外における各種学会や研究集会等は,その殆ど全てが中止・延期,またはオンラインでの開催となり,対面での開催は困難なものとなった。対面での議論が困難となった影響は受けたが,オンラインツールを適宜活用することにより,研究の進捗状況としては,当初の予定通りに進められている。
以上により,現在までの進捗状況は「おおむね順調に進行している」と判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も引き続き,新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けること,そして対面での議論が困難になることが想定されるが,適宜ZoomやSkype等のオンラインツールを用いることで,共同研究者との議論を深める計画である。2021年度は,n-almost Gorenstein環の理論の高次元化の準備として,Sally加群の構造解析に重点を置きつつ,研究活動を展開する予定である。並行して,Ulrich idealsの解析等,1次元の理論での積み残し分に関しても着手する計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,出席を予定していた国内外における各種学会や研究集会等は,その殆ど全てが中止・延期,またはオンラインでの開催となった。そのため,国内外の交通費等の旅費に計上していた費用の使用予定分が次年度使用額として生じた。2021年度も新型コロナウイルスの影響を受けることが予想されるが,情勢に応じて,もしも出張が可能となった場合には,積極的に共同研究者への訪問や研究集会等への出席を行う予定である。引き続き,出張が困難である場合には,オンラインでの議論をより円滑に行うための機材の充実に使用することを検討する。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Weakly Arf rings2020
Author(s)
Naoki Endo
Organizer
AMS Fall Eastern Virtual Sectional Meeting, Special Session on Homological Methods in Algebra
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] On weakly Arf rings2020
Author(s)
Naoki Endo
Organizer
AMS Spring Central Sectional Meeting, Special Session on Commutative Algebra and Connections with Algebraic Geometry
Int'l Joint Research / Invited
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