2021 Fiscal Year Research-status Report
Stratification of Cohen-Macaulay rings
Project/Area Number |
20K14299
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
遠藤 直樹 東京理科大学, 理学部第二部数学科, 講師 (30782510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Cohen-Macaulay環 / Gorenstein環 / Almost Gorenstein環 / Arf環 / Weakly Arf環 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「Cohen-Macaulay環の階層化問題」に従事する。即ち, 可換環論の中でも最重要の研究対象であるCohen-Macaulay環に対して, 新たな環のクラスを提示し, Gorenstein性との差異を指標とした階層化を通して, 可換環論に新たな展望を齎すことを目標とする。本研究において提唱するn-almost Gorenstein 環は,Gorenstein 環と Cohen-Macaulay 環の間の階層を与えるものである。
研究代表者は,昨年度に構築したn-almost Gorenstein環の基礎理論をより盤石なものとするべく,2021年度も引き続き1次元の環構造論に従事した。特に,1次元Cohen-Macaulay環の原点とも言うべき,J. LipmanによるArf環に着目し,その環構造論の精査を行う中で,weakly Arf環の概念に辿り着くに至った。Arf環は環の基本操作との相性も良く,数多くの具体例を構成することができるが,その重要性の最たるものは,環のstrict closed性に関するO. Zariskiの予想にある。Zariskiは環がArfであることとstrictly closedであることが同値であると予想し,Arf性がstrict closed性の必要条件であることを示した。十分条件に関しては,基礎環が体を含む場合に成立することをLipmanが示していたが,研究代表者は,weakly Arf環論の考察を進める中で,Zariski予想が一般に正しいことの証明に約50年越しに成功した。
研究代表者は,2021年11月の第42回可換環論シンポジウムや2022年3月のニューヨーク市立大学でのCommutative Algebra and Algebraic Geometry Seminarを始めとした各種研究集会に出席し,成果発表と合わせて,情報収集及び研究連絡に従事した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き,新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け,国内外における各種学会や研究集会等はその殆どがオンラインでの開催となった。対面での議論が困難となった反面,ZoomやSkype,Slack等のオンラインツールを用いた共同研究者との議論は継続できたため,研究の進捗状況は当初の予定通りである。以上により,現在までの進捗状況は「おおむね順調に進行している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明なため,2022年度も引き続き,オンラインツールを用いた議論を継続させる計画である。2022年度は,n-almost Gorenstein環の理論の高次元化を目指して研究活動を展開する予定である。並行して,Ulrich idealsの解析やweakly Arf環等,1次元の理論での積み残し分に関しても着手する計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,国内外における各種研究集会はその殆どがオンラインでの開催となった。そのため,国内外の交通費等の旅費に計上していた費用の使用予定分が次年度使用額として生じた。2022年度も新型コロナウイルスの影響を受けることが予想されるが,国内外の情勢に応じて,もしも出張が可能となった場合には,積極的に共同研究者への訪問や研究集会等への出席を行う予定である。一方で,引き続き,出張が困難である場合には,オンラインでの議論を円滑に行うための機材の購入や専門書の購入に使用することを検討したい。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] On the ubiquity of Arf rings2023
Author(s)
Ela Celikbas, Olgur Celikbas, Catalin Ciuperca, Naoki Endo, Shiro Goto, Ryotaro Isobe, and Naoyuki Matsuoka
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Journal Title
Journal of Commutative Algebra
Volume: 15
Pages: 177-231
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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