2020 Fiscal Year Research-status Report
gl(1|1)-quantum invariant of trivalent graphs and knot Floer homology
Project/Area Number |
20K14304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鮑 園園 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教 (00710823)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | spanning tree / Alexander polynomial / plane graph / weighted number / matrix tree theorem / skein relation |
Outline of Annual Research Achievements |
Gを向き付けられた三価空間グラフの図式とする.Sinkやsourceとなる頂点がないと仮定する.Gに辺彩色cを与える.Gの辺に基点deltaを任意に選び,(G, delta)のKauffman状態の集合S(G, delta)を考える.S(G, delta)はHeegaard Floerチェーン複体のgenerating setになることが分かっている.以前の研究において,S(G, delta)における各状態sに単項式を付与し,単項式の状態和が位相的不変量になることを証明した.そしてこの状態和がスーパーリー環gl(1|1)の量子不変量になることを証明した。今年度,共同研究者Zhongtao Wu氏と共に次の結果を得た:平面グラフの場合、S(G, delta)はGのspanning treeと一対一に対応する。よって、平面グラフの場合、グラフの全域木集合はHeegaard Floerチェーン複体のgenerating setとなることがわかった。そして、任意のグラフGに対して、前述の状態和のt=1における値はGのweighted number of spanning treesと一致することを示した.証明において、weighted number of spanning treesに関するskein relationを与えた。このnumberはグラフ理論においてよく知られている量であり,Laplacian行列を使って計算することができる(matrix tree定理).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Heegaard Floerホモロジーの量子トポロジー的な意味を調べるのが本研究の主な目的である。そのため、Heegaard Floerチェーン複体の生成元を調べるのがとても重要である。結び目図式のKauffman状態が結び目のHeegaard Floerチェーン複体を生成することが知られている。空間グラフの場合、我々は空間グラフのKauffman状態を定義した。そして、空間グラフのHeegaard Floerチェーン複体がKauffman状態に生成されることも以前の研究によってわかる。2020年度の研究によって、平面グラフの場合、グラフの全域木集合はHeegaard Floerチェーン複体のgenerating setとなることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、Viroのgl(1|1)-Alexander多項式と全域木との関係を調べる予定である。具体的に、Viroの定義を使って、Gのweighted number of spanning treesの新しい計算方法を提案したい。それと同時に、gl(1|1)の量子包絡環U_q(gl(1 |1))の表現に対応する量子不変量を引き続き考えたいと思う。三価頂点グラフの各辺はU_q(gl(1 |1))の自然表現の交代テンソル積によって色付けされる場合、Grantは量子skew Howe dualityを利用して、U_q(gl(1 |1))の自然表現の交代テンソル積からなるモノイド圏が形式的にMOY diagram calculusと全く同様なcalculusを持つことを証明した。今年度、自然表現の交代テンソル積の既約分解を考えて、私たちのMOY-type関係式との関係を解明したい。
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Causes of Carryover |
コロナの原因で、研究集会がほとんどオンライン開催となったため、当初計画していた旅費が支出できませんでした。翌年度分として請求した助成金と合わせて次のように使用する予定である。物品費:本と研究で使うソフトウェアーの購入。旅費:海外出張できるようになったら、アメリカの大学や研究所を訪問したい。
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Research Products
(3 results)