2020 Fiscal Year Research-status Report
Dynkin indices and totally geodesic submanifolds in Riemannian symmetric spaces
Project/Area Number |
20K14310
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥田 隆幸 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 講師 (40725131)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 等質空間 / リーマン幾何 / 全測地的部分多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
各点で点対称と呼ばれる変換が定義されているリーマン多様体をリーマン対称空間という. リーマン対称空間は球面やグラスマン多様体, 双曲空間などを例として含んでおり, 微分幾何学において重要な研究対象である. また全測地的部分多様体とは測地線の概念を一般化したものである. 「真直ぐなものを考える」という意味で, 全測地的部分多様体は最も基本的な部分多様体のクラスの一つである. 本研究課題ではディンキン指数と呼ばれる不変量を定義し, 応用することによりリーマン対称空間内の部分多様体の分類問題に取り組むものである.当該年度においてはリーマン対称空間内の全測地的部分多様のディンキン指数の整数性の証明についての整備および不連続群との関係についての調査を行った. 全測地的部分多様体の Dynkin 指数の整数性については, これまでにルート系を用いた代数的な証明が得られていたが, 当該年度の研究により,より幾何学的なアイディアを用いた証明が得られた(論文準備中). また対称空間に離散群が不連続に作用するとき, 特定の全測地的部分多様体が``きれいに巻き付く''ための必要十分条件を整理した. これは「擬リーマン簡約型等質空間上のクリフォード・クライン形」の研究としてよく知られている小林俊行の固有性判定定理を別の視点から読み替えたものになっている(論文準備中). さらに対称空間に作用している離散群の群コホモロジーと考えている全測地的部分多様体の次元の関係についても調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究計画として予定していたディンキン指数の幾何学的考察については概ね満足のいく形で調査を行うことができた. また不連続群との関係についても調査を行うことができたため, 研究そのものの進展としては順調である. しかし, 当該年度においてはコロナ禍のため研究以外で予期せぬ形で時間をとられる場面が多く, なかなか論文執筆など時間が必要な作業に集中することが難しく, また参加を予定していた研究集会も軒並み中止となり, 研究発表や論文投稿には至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
ディンキン指数を用いた対称空間内の全測地的部分多様体の分類について引き続き研究を推進する予定である. また不連続群と全測地的部分多様体の関係についても引き続き調査を進める.
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため研究集会が軒並み中止になり, 旅費や謝金関連の支出が大幅に減ったため使用額が計画と異なる形となった. 2021年度の使用計画としては研究集会などへの参加旅費などとする予定である.
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Research Products
(3 results)