2023 Fiscal Year Research-status Report
Thompson群Vの非正曲率性の研究と低次元トポロジーへの展開
Project/Area Number |
20K14311
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
加藤 本子 琉球大学, 教育学部, 准教授 (00847593)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Thompson群 / 非正曲率距離空間 / 幾何学的群論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, Thompson群とその一般化を対象に, 幾何学的な観点から研究を行っている. Thompson群にはF, T, Vの3種類があり, それぞれ単位区間, 単位円, カントール集合の自己同相写像のなす群として記述される. 本研究では特にCAT(0)空間と呼ばれる, 非正曲率距離空間への群作用について研究を行っている. 本年度の主な結果は次の通りである. 昨年度の研究に引き続き、Thompson群Tの一般化であるHigman-Thompson群T_nとその一般化について研究をおこなった. Higman-Thompson群T_nはTの「n分岐版」であり, この群もまた, 単位円の自己同相写像のなす群として記述される. 今年度の研究では, T_nをさらに一般化した, 円の自己同相写像のなすring群とよばれる群に注目した. この群の一般的な性質は研究されていないため, TやT_nの持つ重要な性質をどの程度持つかという観点から, 次の研究を行った. (1)交換子部分群が単純群となるための, 円への作用に関する条件を考察した. (2)ring群が群同型の意味で非可算無限個あるかを調べた. (3)昨年度得られたT_nが固定点性質を持つための条件を一般化して, ring群が有限次元CAT(0)へのsemi-simpleな作用に関して固定点を持つための条件を記述した. 結果の一部に関し、OISTワークショップ「New trends of conformal theory from probability to gravity」で講演を行った. 国内外での研究集会や, オンラインでの議論を通し, 関連する最新の研究に関する情報収集や, 他の研究者との議論を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
出張の見合わせなどにより, 情報収集や議論に遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
・ring群の一般的な性質についての研究を継続する. このような群で良い固定点性質を持つものが群同型の意味で非可算無限個あるかどうか考察する. ・CAT(0)空間への群作用が固定点性質を満たすために, 群が満たすべき条件を用いて, VのCAT(0)空間への群作用の満たすべき条件を構成する. ・Thompson群の自己同相群について研究を行う. 特にn分岐の場合にnに依存した結果が得られるか明らかにする.
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Causes of Carryover |
産休・育休取得により予定していた出張が行えなかった等の理由によって, 次年度使用額が生じた. 今後の使用計画としては, 国外移動が可能になった場合は国外研究集会への出張を行い, 情報収集や議論を行う. 国内集会には通常通り参加を予定する.
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