2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K14313
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
小池 貴之 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30784706)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 半正直線束 / 正則葉層構造 / 上田理論 / K3曲面 / 平坦直線束 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の時点で, これまでのコロナウイルスの状況の改善に伴う形で, 国外研究者との研究交流, 特にこれまで培ってきた当該研究成果を広く国外の専門家 (主にドイツ・フランスの研究グループ) 向けに講演発表により伝つつ関連する最新の研究情報収集を多数行ってきていた. 今年度はその集大成として特に岡山大学・上原崇人氏との研究を整理しまとめ進めつつ, さらにそれらを踏まえた議論を国外研究者, 特にニース・コートダジュール大学のLaurent Stolovitch氏と行った. ニース・コートダジュール大学ではコロナ禍以前より計画されていた大規模国際集会が開催され, 当該研究成果(内特に, 法線束が平坦となるような部分多様体近傍におけるある種の正則葉層構造の存在と, その部分多様体が定める直線束の半正性との関係)についての講演を対面にて当該分野の研究者向けにその詳細も含め行うことができた. そこで行われた議論・意見交換により当該分野 (特に標準形の理論に関連する複素解析幾何学) についての知見を広めることができ, 今後の展望につなげられた. さらにこの機会に深められたニース・コートダジュール大学の研究者との研究協力関係は今後の自身の研究, 延いては関連分野における日仏研究協力関係の強化の観点からも重大なものとなったと自負している. また今年度はこれまでの研究成果の複素解析幾何学的応用として, トロイダル群と呼ばれる複素多様体に於いて知られていたコホモロジー群とある種の直線束の無理数論的条件との関係についての結果を, 2次元複素多様体に関してより一般の状況へと一般化することにも成功した.
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