2022 Fiscal Year Research-status Report
On the fundamental group and non-negativity of curvature for pseudo-Riemannian submersion
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20K14315
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Research Institution | Ashikaga University |
Principal Investigator |
椋野 純一 足利大学, 工学部, 講師 (50737301)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 擬リーマン幾何 / 特異点 / 正曲率 / 測地線 / 等質空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続いて、研究課題の一つであるAndersson--Howardの意味で正曲率条件を満たす擬Riemann等質空間の具体例の構成の問題について研究した。研究の背景は、Andersson--Howardの意味で正曲率条件を満たす擬Riemann多様体の例は主にねじれ積のクラスであり、対称性の高い例があまり知られていなかったことである。前年度に課題として残っていた擬Riemann対称空間のランク1の場合に関して、Andersson--Howardの意味で正曲率条件を満たすものの特徴づけをすることができた。さらに、研究課題に関連したLie群上の左不変擬Riemann計量でAndersson--Howardの意味で正曲率条件を満たすものが存在するかという問も考察した。研究の背景にはWallachによるコンパクト連結Lie群が正曲率な左不変計量ならば、そのLie代数はsu(2)と同型になるというRiemann幾何での結果がある。自然な両側不変擬Riemann計量が存在する非コンパクト半単純Lie群の場合を中心に具体的に曲率を計算してAndersson--Howardの意味で正曲率条件を満たすかを考察したが、まだ纏まった成果を得るには至っていない。もう一つの研究目標である擬Riemann多様体上で特異点が起きるための条件の研究については、他の研究者からCR幾何の視点からの時空の特異点に関する結果の情報提供を頂いて、本研究へ活かせるか議論を行なった。新しい知見を得ることができたが、まだ結果を得るには至っていない。本年度は、現地開催された学会やセミナー、研究集会に参加し、3件の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
具体例の構成についていくつかの困難さがあり、また具体例の計算が大変だったこともあり、研究をうまく進めることができなかった。また、情報収集などもコロナ禍で特に年度前半は難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
擬Riemann等質空間の例の計算結果を論文にまとめたいと考えている。また、擬Rimeann多様体の具体例における曲率と測地線の振る舞いの様子を具体的に調べて、研究結果をまとめたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行の影響で、国内外のセミナーや研究集会で現地参加できないことがあり、次年度使用額が生じた。次年度は新型コロナウィルスの扱われ方が変わるため、出張もしやすくなったので、セミナーや研究集会への旅費等として使用することを引き続き考えている。
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