2023 Fiscal Year Annual Research Report
On the fundamental group and non-negativity of curvature for pseudo-Riemannian submersion
Project/Area Number |
20K14315
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Research Institution | Ashikaga University |
Principal Investigator |
椋野 純一 足利大学, 工学部, 講師 (50737301)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 擬リーマン幾何 / 正曲率 / リー群 |
Outline of Annual Research Achievements |
擬Riemann幾何におけるAndersson--Howardの意味での正曲率条件はRiemann幾何における正曲率条件を自然に一般化した条件である。Andersson--Howardの意味での正曲率条件を満たす擬Riemann多様体の主要な例はこれまで捩れ積のクラスであった。そのため、別の重要な具体例のクラスである等質空間、具体的にはAndersson--Howardの意味で曲率テンソルが正である擬Riemann等質多様体について、それらの例を構成できるか、またはどれだけあるかという問題は基本的な問題である。この問題に対する部分的な成果として、前年度までに以下を得た: まず擬Riemann対称空間のランク1の場合に関して、Andersson--Howardの意味で正曲率条件を満たすものの特徴づけを与えた。他には、Riemann幾何で正曲率Riemann多様体の族としてよく知られているAloff--Wallach空間のある種の擬Riemann化したものの部分的な族がAndersson--Howardの意味で正曲率条件を満たすことを示すことができた。本年度は、昨年度から問題になっていた研究課題であるLie群上の左不変擬Riemann計量でAndersson--Howardの意味で正曲率条件を満たすものが存在するかという問題に取り組んだ。本問題の背景には、Wallachによるコンパクト連結Lie群が正曲率な左不変Riemann計量をもつならば、そのLie代数はsu(2)と同型になるという結果がある。研究成果として、Andersson--Howardの意味で正曲率条件を満たし、さらにある種の対称性をもつ左不変擬Riemann計量をもつ非コンパクト実半単純Lie群に関する剛性現象を示すことができた。本年度は、セミナー、研究集会に参加し、2件の研究発表を行った。
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