2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on finite type invariants and Milnor invariants by clasper theory
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20K14322
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小鳥居 祐香 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (30737143)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 絡み目 / 絡み目ホモトピー / クラスパー |
Outline of Annual Research Achievements |
絡み目の絡み目ホモトピーとは,ミルナーによって導入された絡み目の同値関係である.これはアンビエントアイソトピーと自己交叉によって生成され,絡み目の成分間の絡み度合いを表す同値関係といえる.また任意の絡み目は,クラスパー表示と呼ばれる表示法で表せることが知られている.これまでの水澤敦彦氏との研究協力によって,Levineによって代数的に示された結果の別証明として,クラスパー表示を用いた幾何的な手法によって,4成分絡み目の絡み目ホモトピー類全体と一対一対応する集合を構成した.さらにこの一対一対応を用いることで,4成分絡み目のいくつかの部分集合に対して,それらを完全に分類できる巡回群に値をとる比較可能な不変量を構成してきた.しかしこれは,任意の2つの絡み目に対して,それらが絡み目ホモトピックであるかどうかを判定出来るものではなかった.そこで今年度はこの研究の続きとして,4成分絡み目に対して,HabeggerとLinの共著によって与えられた2つの絡み目が絡み目ホモトピックであるかどうかを判定するアルゴリズムを,クラスパー表示を用いた言葉に翻訳し,その計算方法を明示的に記述した.これによって,2つの絡み目の比較を図式的な計算により簡単に行えるようにした.また,2つの絡み目が絡み目ホモトピックである場合と,絡み目ホモトピックでない場合のそれぞれの具体例も計算した.上記の研究はすべて,水澤敦彦氏との研究協力によるものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度行うべき2つの研究課題のうち,片方は順調に進展している.もう一方は,進んでいるもののプレプリント等で公開できる段階には至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
全体的には順調に進んでいる為,研究計画の変更は行わず,引き続き予定の研究内容を行っていく.
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Causes of Carryover |
研究集会や学会がオンラインで行われた為,予定していた旅費を使用できなかった.来年度も同様の状況であれば,物品の購入に当てる.
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Research Products
(4 results)