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2021 Fiscal Year Research-status Report

Geometric characterization of nonlinear metric spaces

Research Project

Project/Area Number 20K14333
Research InstitutionNiigata Institute of Technology

Principal Investigator

冨澤 佑季乃  新潟工科大学, 工学部, 講師 (10809403)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords非線形距離空間 / Busemann 空間 / CAT(0) 空間 / Hadamard 空間 / 一様凸 / 凸結合
Outline of Annual Research Achievements

【成果】Busemann 空間における三角形の辺の長さに関して、「一様凸性」と同値な「二乗平均」の式を導き、2つの研究集会で発表した。
【内容】非正方向曲線を有する測地距離空間である Busemann 空間において、一様凸性の特徴付けを目指した。先行知見として、線形空間では Beauzamy (2011) が、凸結合を用いて Banach 空間の一様凸性の特徴付けを得ている。当該年度ではその結果を Busemann 空間に拡張することを目標に設定した。そのための工夫として、最初に一様凸性を表す写像「modulus of convexity」について、線形空間での関数としての性質を一般化した。次にこの結果を用いて、Busemann 空間内の三角形が有する性質で、「一様凸性」と同値なものを探した。これに対しては、三角形の辺の長さについて注目し、「一様凸性」と必要十分条件となる式が「二乗平均」によるものだと明らかにできた。具体的には、まず下記(1)を証明し、次に昨年度の結果と(1)より、(2)を示した。この結果は「研究実施計画」の最終目標である「線形空間の幾何学的議論を非線形へ一般化する」ことに必要な知見である。
(1)Busemann 空間における一様凸性を表す写像「modulus of convexity」は非減少関数である。
(2)Busemann 空間における一様凸性と同値な性質として、三点の距離に関する「二乗平均」式が存在する。
【発表】本結果を、10月の「実解析シンポジウム2021」、3月の「2022年度数学会年会・実函数論分科会」にて、どちらも一般講演枠で発表した。また「実解析シンポジウム2021」では他研究者との意見交換を行い、本結果がより一般化できる可能性が明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の目標では、上記「研究実績の概要」に書かれた結果を学術論文として投稿する予定であった。しかし研究集会での発表にて、他研究者からの意見を参考にした結果、より一般的な関係式が得られる可能性が出てきた。したがって論文作成を中断し、更なる良い結果が得られるかどうかの研究に移行したため、当初の予定より計画が若干遅れることとなった。
この状況は、本研究の最終目標のみに言及すれば「やや遅れ」となるが、実関数論分野の発展という大局的見地からみれば、より一般的な結果を目指すという意味で、決して「遅れではない」と判断する。

Strategy for Future Research Activity

【第一段階(2022年度)】研究成果の発表:昨年度得られた「二乗平均」の結果をより一般化させた「p乗平均」の結果を出し、学術論文として投稿する。
【第二段階(2023年度)】非線形空間の「丸さ」を表す幾何学的定数を新しく導入して、その取りうる値の範囲を研究する。これは三角形の辺の比を用いて新しい定数式を構築し、凸性を有する非線形空間の新しい特徴づけを試みるものである。これまでに得られた研究成果を用いることで、幾何学的定数の設定が可能と想定している。

Causes of Carryover

【生じた理由】新型ウイルスによる生活様式の変化により、研究集会や学会などの物理的会合が中止され、旅費用研究費が使用されなかった。具体的には、「実解析シンポジウム2021」と「2022年度数学会年会(埼玉大学)」の旅費として使用する予定であったが、どちらもオンライン開催に切り替わったため、その分の旅費代が未使用となった。
【使用計画】学術論文の掲載料やオープンアクセス料、また必要な文献の購入に使用する予定である。本研究の計画段階では学術集会参加のための旅費で多くの支出を見込んでいたが、生活様式の変化により研究目的の旅行は制限されるため、実際に使用される研究経費は予定よりも少なくなると予想される。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 測地距離空間の幾何学的性質2022

    • Author(s)
      冨澤佑季乃
    • Organizer
      日本数学会2022年度年会
  • [Presentation] 完備 Busemann 空間の一様凸性2021

    • Author(s)
      冨澤佑季乃
    • Organizer
      実解析学シンポジウム2021

URL: 

Published: 2022-12-28  

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