2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis on reproducing kernel Hilbert spaces
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20K14334
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
田中 清喜 名城大学, 理工学部, 准教授 (00711491)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Bergman 空間 / 正則関数 / polyharmonic function / polyanalytic function |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,多調和関数の成す再生核ヒルベルト空間の解析を通して,さらなる一般論を構築することを目標とし,研究期間内においては具体的に polyharmonic Bergman 空間,polyharmonic Fock 空間,polyharmonic Hardy 空間における作用素解析を行うことを予定していた.ただ,昨年度から引き続き polyharmonic Fock, Hardy 空間については想定していた成果が得られず難航し,昨年度に取り組んでいた正則 Bloch型空間上における little Hankel 作用素の特徴づけ問題の研究を継続した. Axler(1986)によって得られている「歪正則関数をシンボルに持つ Hankel 作用素が有界性であることとシンボルがBloch関数であることが同値である.」という結果を踏襲しつつ,特徴づけとして得られる関数は定義域と値域を変えることでシンボルの函数論的性質としてBloch関数以外の函数が現れることをみた.この結果は,ポテンシャル論研究集会,日本数学会にて発表し,現在投稿準備中である.上記の結果においては,シンボルに歪正則性を仮定しているが,シンボルのクラスをn-polyanalytic function に拡張してどのような関数をシンボルとすることで little Hankel 作用素と middle Hankel 作用素を特徴できるか考察した.この際にシンボルを多調和関数とみてアルマンジ分解することで,middle Hankel 作用素が有界となるシンボル関数のクラスを特定できることをn=2のときには確認できた.これらの研究は山路哲史氏(神戸高専)との共同研究である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,多調和関数の成す再生核ヒルベルト空間の解析を通して,さらなる一般論を構築することを目標とし,研究期間内においては具体的に polyharmonic Bergman 空間,polyharmonic Fock 空間,polyharmonic Hardy 空間における作用素解析を行うことを予定していた.ただ,polyharmonic Fock, Hardy 空間については想定していた成果が得られず難航した.そのため,上記の知識を生かして改めて正則 Bergman 空間,polyanalytic Bergman空間上における作用素解析に着手した.現在は細部を詰めている段階であるが,polyharmonic function の Almanzi 分解の形を用いて polyanalitic Bergman 空間上の little Hankel 作用素の特徴づけ問題を部分的に解くことはできており,少しの進展は見られた.しかし一方で大幅な予定変更が行われており,当初のさらなる一般論にはそこまで近づいていない現状はやや遅れている状況であると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,多調和関数の成す再生核ヒルベルト空間の解析を通して,さらなる一般論を構築することを目標とし,研究期間内においては具体的に polyharmonic Bergman 空間,polyharmonic Fock 空間,polyharmonic Hardy 空間における作用素解析を行うことを予定していた.ただ,polyharmonic Fock, Hardy 空間については想定していた成果が得られず難航した.一方で,polyanalytic functionの成すBegrman空間の解析に polyharmonic Bergman 空間の話を生かすことができ,その空間では middle Hankel作用素といった polyharmonic Begrman 空間上ではうまく定義できない作用素を題材にできると思われる.そのため,当初の予定とは違うが上記の空間の間の関係を主題に取り上げたい.
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Causes of Carryover |
研究計画が遅れたことで,研究発表の場で話す機会が減り投稿論文の準備といった比較的予算を使わない作業が増えたため,当該年度の使用額は予定より少なくなった.ただ,次年度においては準備した内容の発表と打ち合わせをするための旅費を多く必要とするため次年度使用額が生じた.
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