2021 Fiscal Year Research-status Report
Reverse mathematical analysis of intuitionistic mathematics
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20K14354
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
藤原 誠 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (20779095)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 構成的数学 / 逆数学 / 直観主義算術 / 冠頭標準形定理 / 保存性定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,数学基礎論確立以前からL.E.J.Brouwerとその追随者たちにより独自の哲学的立場に基づいて展開されていた直観主義数学を,現代数学基礎論の立場から再検討するものであり,「具体的な直観主義数学における公理や定理に対する逆数学」と「構成的逆数学を計算可能解析学や古典的逆数学と関連づけるメタ定理の開発」に大別される. 前者に関しては,直観主義数学に端を発する重要な定理である単位区間上の一様連続性定理を詳しく解析し,河井達治氏(北陸先端科学技術大学院大学)との共同研究の成果として,「モジュラスに連続性を加味した単位区間上の連続関数に対する一様連続性定理」が弱い選択公理しか含まない直観主義有限型算術上で決定可能ファン定理と同値になることを示した. 後者に関しては,一般に古典論理に基づく理論に対して成り立つが直観主義論理に基づく理論に対しては成り立たないメタ定理である冠頭標準形定理を直観主義一階算術の文脈で詳しく解析し,構成的逆数学の枠組みをなす論理原理の階層構造と冠頭標準形定理の関係性を明らかにした.また,論理原理の階層構造と古典算術の証明能力の保存性の関係を調べ,直観主義一階算術に関する古典一階算術の証明能力の保存性についての主要定理を論理原理の階層構造に基づいて一般化するメタ定理を得た,さらに,典型的な様々な論理式のクラスに対する一般化された保存性定理を考え,論理原理の階層構造におけるそれらの立ち位置を明らかにした.これらは倉橋太志氏(神戸大学)との共同研究の成果である.さらに,計算可能な集合を構成的数学の立場から検討することにより得られる極めて弱い論理原理を体系的に調べ,それらがつくる階層構造を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構成的逆数学を計算可能解析学や古典的逆数学と関連づけるメタ定理の開発において,顕著な成果が得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
具体的な直観主義数学における公理や定理に対する逆数学に関しては,モジュラスに連続性を加味しない一般の連続関数に対する一様連続性定理の特徴付けが重要な未解決問題として残されている.弱ケーニヒの補題を構成的逆数学の観点から詳しく分析することによりこの問題にアプローチする.また,構成的逆数学を計算可能解析学や古典的逆数学と関連づける新たなるメタ定理の開発のための足がかりとして,古典的逆数学において重要な役目を果たすケーニヒの補題及び弱ケーニヒの補題を構成的逆数学の文脈で詳しく解析する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延に伴い,2022年3月に予定していた海外研究機関への研究訪問を見合わせたため.
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