2021 Fiscal Year Research-status Report
予測精度向上のための一般化推定方程式におけるモデル選択規準の導出と評価
Project/Area Number |
20K14360
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 倫治 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (80865220)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 一般化推定方程式 / 平均構造 / 漸近性質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、臨床研究や疫学研究で多く収集される繰り返し測定データやマルチレベルデータの予測モデルの構築に焦点を当て、より予測精度のよいモデルを選ぶ手法についての研究である。繰り返し測定データに適用する手法のひとつが一般化推定方程式であり、その周辺の手法として一般化線形混合モデルなどがある。 一般化推定方程式では平均構造を仮定して推定を行うことで予測モデルを構築することができるため、実臨床の場で使用する疾患の予測モデルなどにおいては、限られた収集可能なデータから予測モデルを考えることができ有用である。 一方で、一般化推定方程式は「真の平均構造が正しく特定できている」という仮定の下で漸近性質が示されているが、誤特定している場合の影響は報告がない。そして、一般化推定方程式を用いる際には平均構造の仮定として、正準リンクと呼ばれる関数を用いてモデリングを行っているのが一般的である。そこで、一般化推定方程式に用いる平均構造として、正準リンク以外のリンク関数を用いた場合や、限られた変数の組で予測モデルを構築した場合の影響を調査し、予測精度を向上するための手法について以下の研究を行った。 1)正準リンクを含む広いクラスでのリンク関数族を定義し、推定方法を検討し、実データへの適用を行った。推定方法とその推定量の性質を基に、予測精度の高いモデルの構築について引き続き研究を行う。 2)実臨床を想定したモデルにおいて、一般化線形混合モデルや単純な群間差などを用いた統計量との比較を行い、国内、国外の学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、予測精度の高いモデリングを目的としており、一般化推定方程式で平均構造を変化させることでより予測精度の高いモデルを構築できないかと考えている。 現状、正準リンクを含む広いクラスでのリンク関数族を考え、それを用いた場合の推定方法についてはおおむね検討できているため、「おおむね順調に進展している」とした。 今後は様々な状況におけるシミュレーションや実データへの適用などを行い、実行可能性と有用性について評価を行う。 また、一般化線形混合モデルや、その他の統計手法との比較などについても引き続き調査する必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針は以下の流れを想定している。 1)実データへの適用。リンク関数を変更するため、一般的な統計解析ソフトで簡単に実行することができないため、推定アルゴリズムを構築し、実データを用いて正準リンクを用いた場合と変化させた場合での予測精度の比較を行う。 2)手法の比較。一般化推定方程式で構築した予測モデルと、その他の手法で構築した予測モデルを比較する。
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Causes of Carryover |
本年度においてもCOVID-19のパンデミックの影響で、国内外の学会がすべてWeb開催となったことや、購入予定の書籍などが流通の問題により購入できなかったことが大きな理由である。 次年度においては、本年で購入できなかった必要物品の購入や、国内外の学会参加、論文執筆等に使用する。
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Research Products
(2 results)