2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K14399
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井土 宏 東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (20784507)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 2次元物質 / スピントロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では2次元物質における反強磁性相に着目し、その界面におけるスピン効果を対象としている。特に2次元反強磁性体のもつ高い結晶性と、そのヘテロ界面を利用することでその素励起(反強磁性マグノン)や秩序パラメータとどのように相関するかを追及する。 まず試料としてはChemical vapor transport 法で成長した単結晶を用意した。この単結晶にスコッチテープ法を用いることで、シリコン基板上に薄片を準備した。この試料に異なる厚さをもつヘテロ接合、特に強磁性体ヘテロ構造を生成した。 この試料に対してRaman顕微測定を行った。今回の測定はターゲットとなるパラメータ(膜厚など)を絞り込むためのものであり、室温で行った。これにより高い結晶性を有する2次元反強磁性体ヘテロ構造を様々な膜厚で測定できることが分った。 今回確認した条件を元に、今後、温度可変での測定や磁場印可下での測定を行うことで、界面におけるスピン効果を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究により試料作製の条件が概ね把握できた。また、COVID-19の影響はあったが当初の研究目標を達成するための現実的な計画を再構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度において試料作製の条件を概ね把握できたので、第2年度においては測定に注力して研究を推進する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額の大半(>99%)はクライオスタットの購入費用である。仕様を決定するのに想定より時間がかかり、今年度中に納品可能な時期に発注できなかった。既に債務計上(発注)済みだが納品・支払いは次年度になった。
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