2021 Fiscal Year Annual Research Report
Simulating Quantum Frustrated System by a Bose-Einstein Condensated Gas at Negative Temperature
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20K14422
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小沢 秀樹 国立研究開発法人理化学研究所, 量子コンピュータ研究センター, 特別研究員 (50826013)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 冷却原子 / ボース気体 / 超流動 / モット絶縁体 / 三角格子 / 量子気体顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は87Rb原子のBose-Einstein Condensate (BEC)を実現し、昨年度に構築したQuantum Gas Microscope (QGM)を使って、三角光格子中のBECの干渉パターンやフィリングを測定した。 QGMとは、光格子中の冷却原子を単一格子点・単一原子レベルで観測する技術である。我々は、このQGMを三角光格子中の負温度BECと組み合わせることで、フラストレートスピン系の量子シミュレーションができると考え、開発に取り組んできた。 これまで、我々の実験系においてBECの生成が大きな課題であった。Far-Off resonance trap中の蒸発冷却での初期段階における原子数が少なく、密度が低いため効率的な蒸発冷却を行うことが困難であった。この課題を解決するために光トラップ(dimple trap)を導入した。Dimple trapにより蒸発冷却効率を上げて、少数原子でも量子気体を生成できるようにした。その結果、dimple trap中での冷却後に、BECが生成できていることがわかった。 また、三角光格子中のSuperfuild-Mott Insulator(SF-MI)転移のために、ログスケール光強度検出器を導入した。SF-MI転移が発現する浅い光格子と、QGM観測を行う深い光格子を共存させる必要がある。この問題に対して、ログスケールPDを用いて、4桁のダイナミックレンジを実現した。 以上の改善の後、浅い三角光格子中にBECを導入し、Time-of-flight測定により逆格子ベクトルに対応した位置に干渉ピークが現れることが確認できた。さらに、深い三角光格子ではin-situ測定によりフィリング80%程度のMI相を実現することができた。
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