2023 Fiscal Year Annual Research Report
Dissipative structures in the non-equilibrium dynamics of chiral liquid crystal droplets
Project/Area Number |
20K14433
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
坊野 慎治 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 准教授 (60778356)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 液晶 / ソフトマターの物理 / キラリティー / 表面 / 散逸 / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では液晶滴の散逸構造について研究した。特にキラル液晶は内部にねじれた配向構造を有し、散逸に伴い配向回転や剛体回転が複合した複雑な散逸ダイナミクスを示す。本研究では研究対象として、キラル液晶-等方相共存相温度において、自発的に等方中に分散するキラル液晶滴を選定し、キラル液晶滴の熱流や電場下におけるダイナミクスを調べ、これらのダイナミクスを支配するメカニズムの解明を目指した。さらに得られた成果を基にして、Microelectromechanical systems分野においてマイクロマシーンの熱的及び電気的特性を可視化するための原理を提案した。本研究で明らかにした研究成果を以下に示す。 (1) 熱流下におけるキラル液晶滴の回転:配向弾性と界面におけるアンカリングのバランスによって配向回転または剛体回転のどちらが散逸ダイナミクスとして選択されるかが決定する。 (2) キラル液晶滴を利用したマイクロマシーン内温度勾配分布の可視化:マイクロマシーンを模したモデルデバイス内部にキラル液晶滴を分散させた。この液晶滴の回転速度を定量的に調べると、マイクロマシーン内部に生じる局所的な熱による温度勾配分布を可視化できることを示した。 (3) キラル液晶滴の回転及び並進運動を利用した微細電極内電気特性の可視化:静電アクチュエータに見立てたモデルデバイス間にキラル液晶滴を分散させて電圧を印加した。液晶滴の回転を観察すると、デバイスの電気特性をリアルタイムに高精度に可視化できることが明らかになった。
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