2020 Fiscal Year Annual Research Report
Structural analyses of phase separation in cytoplasm by using coherent X-ray diffraction imaging
Project/Area Number |
20K14434
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小林 周 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (60824034)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コヒーレントX線回折イメージング / 細胞イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は構造解析手法であるコヒーレントX線回折イメージング(Coherent X-ray diffraction imaging: CXDI)を用いてマイクロメートルサイズの細胞の電子密度分布丸ごとを数十 nmの分解能で可視化する技術の開発と、本技術を用いて細胞の状態ごとの構造変化を追い、生命活動に重要な機能の理解を深めることを主たる目的としている。CXDI実験では、高空間コヒーレントX線を試料に入射し、Fraunhofer回折強度パターンを二次元検出器で記録する。回折強度パターンに位相回復アルゴリズムを適用することでX線入射方向に投影した二次元電子密度像が得られる。 SACLAにおけるCXDI実験で収集した間期の細胞周期のシアノバクテリアの回折強度パターンについて位相回復計算を行うと約50 nm分解能の投影電子密度図がおよそ300枚得られた。投影電子密度図からクライオ電子顕微鏡の単粒子解析法を用いて三次元再構成した。SACLAではXFELパルス1ショットで信号対雑音比の高い回折強度パターンを記録することができるが、サンプルは回折を起こした後、クーロン爆発によって破壊される。そのため、単粒子解析法を用いて得られる三次元構造は、300の異なる個体の構造情報で構成される。細胞の階層構造はナノメートルからマイクロメートルの分解能領域まで非常に複雑であり、個体間で大きな構造多型が見られるため、高分解能で三次元構造を可視化することはできないが、その細胞がもつ共通構造を抽出することができる。本研究では、得られた共通構造及び投影電子密度像を蛍光顕微鏡像と比較することによって、シアノバクテリアのベシクル放出の過程やチラコイド膜の形状、カルボキシソームの局在について考察することができた。
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Research Products
(4 results)