2020 Fiscal Year Research-status Report
An experimental study of particle acceleration in collisionless shock using electro-magnetically driven plasma flow
| Project/Area Number |
20K14440
|
|---|
| Research Institution | University of Toyama |
|---|
Principal Investigator |
竹崎 太智 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (90824326)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | パルスパワー放電 / プラズマフォーカス装置 / 無衝突衝撃波 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
無衝突衝撃波とは宇宙空間で発生する衝撃波現象であり，宇宙空間の高エネルギー粒子の生成起源であると考えられているが，その詳細な粒子加速過程は明らかにされていない。申請者らはこれまでの数値シミュレーション研究により，無衝突プラズマ流と垂直磁場の相互作用による新たな粒子加速現象を明らかにした。本研究は申請者らが発見した粒子加速現象の実験的検証のため，パルスパワー放電を用いたプラズマ流駆動装置の開発と，プラズマ流のエネルギー分布関数の評価を目的とする。
本年度はパルスパワー放電により無衝突プラズマ流を駆動するためのプラズマフォーカス (PF) 装置を構築した。無衝突プラズマ流の生成には低真空領域での PF 装置の駆動が必要だが，低真空領域では電極内での放電経路が安定しない，電極内部のプラズマ挙動がブラックボックスのために速度と再現性向上のための知見がない，という課題があった。本研究では電極内部のプラズマ挙動の計測が容易な柱状型電極を用いたPF装置を構築した。構築したPF装置によりパルス大電流放電を行い，電極内部でのプラズマ自発光を確認した。また，電極に残った放電痕を計測し，電極内でのプラズマの進展距離を評価したところ，プラズマ進展距離の圧力とガス種への依存性を確認した。電極内部のプラズマ挙動を数値解析コードにより求めたところ，実験結果と定性的に一致した。これらの結果から，構築したPF装置での電極内部のプラズマ挙動を雰囲気ガスの圧力およびガス種により制御できることが明らかとなった。
さらに，光ファイバーと光検出器を用いた計測系を構築し，電極内部のプラズマ自発光を検出した。これにより，電極内での放電箇所の空間的・時間的な評価が可能となり，信号の時間差からプラズマの進展速度の評価が可能となる。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究により所望のPF装置を構築することができた。とくに低真空領域でのパルス大電流放電によりプラズマ自発光を観測し，電極内でのプラズマ挙動を雰囲気ガスの圧力とガス種により制御できることを明らかとした。また，電極内部のプラズマ自発光計測系を構築し，電極内部での放電箇所やプラズマ進展速度を計測する準備が整った。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今年度に構築したプラズマ自発光計測系を用いて，雰囲気ガスの圧力やガス種，充放電用コンデンサの容量や充電電圧を変化した場合の電極内での放電箇所およびプラズマ進展速度を評価する。これにより，本装置で駆動されるプラズマ流の速度および再現性を向上するための知見を得る。また，プラズマ流のエネルギー分布関数を評価するためのイオンビーム電流計測系の構築に着手する。
|
| Causes of Carryover |
購入予定だった計測系のデータロガーを所属機関が所有する物品で代用できたため。
他の計測系を構築するための消耗品や，計測系を設置するための真空フランジ等に使用する予定である。
|
