2021 Fiscal Year Research-status Report
光渦を用いたECRHシステムの低損失な伝送方法の提案
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20K14444
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
藤田 宜久 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (20780711)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光渦 / ECRH / コルゲート導波管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はラゲールガウスビームに適した伝送路の解明である.加えて,大電力高周波を扱う既存伝送路では誘導電流を抑制するためにコルゲート導波管が採用されている.したがって,コルゲート導波管に適したラゲールガウスビームの生成・伝送方法の提案も目指す.以下に過年度の実施項目を記す. 1.既存のコルゲート導波管では解析的にラゲールガウスビームが伝播せず,高次モードが発生してしまうことがわかった.そこで,光ファイバーの技術を応用し,位相の異なる既存モードの重ね合わせで励起した光渦ビームであれば伝送できることを示した.同内容について国際会議「ISPlasma2022」で発表を行った. 2.さらなる高周波の電磁波伝送に応用することを想定して,表皮深さも考慮した電磁界解析のシミュレーションコードを開発した.同コードを用いて媒質構造が光学特性に及ぼす影響を明らかにした.更に,今後簡単に光学特性を見積もることができるように形状をフラクタル次元で,金属中でのジュール損失を溶媒露出表面積で表現したモデル化も行った.本成果も国際学会「JSST2021, Compumag2021」で発表している. 3.コルゲート導波管の伝送モードである光渦ビームと自由空間中でも伝送モードであるラゲールガウスビームは,自由空間中であればその関係性が解析的に求められることがわかった.この知見を活かし,実空間での関係性解明も目指していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コルゲート導波管中にラゲールガウスビームを直接伝送させることが難しいことが解析的に明らかになった.また,代案として同じような位相構造を持つ光渦ビームモードが伝送できることを示した.上述の研究遂行の過程で以下2つの課題が新たに見つかった. 1.光渦ビームをどの様に励起すればよいのか? 2.プラズマ中などの複雑な空間では光渦ビームからラゲールガウスビームへ意図するように遷移するのか? 意図した光渦ビームを励起させるためには,任意の位相の固有モードを複数励起させる必要がある.そこで,斜め入射により発生する高次モードを意図的に励起させることで光渦ビームの励起を試みる.次に,現実に即した空間でラゲールガウスビームを制御するためには,プラズマ中での光渦ビームとラゲールガウスビームの関係性を明らかにする必要がある.このとき,金属を分散性媒質としてみなしている既存コードを流用し,プラズマも分散性媒質として取り扱うことで関係性解明を図る.上記課題の解決により,間接的にラゲールガウスビームの生成から伝送までの過程を提案できると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
目的の達成に向けて以下の内容に取り組む. 1.コルゲート導波管へ電磁波を斜めに入射することで軸対称性を崩し,異なる位相の電波モードを励起させる.また,入射角度と光渦ビームモードの関係性を明らかにする. 2.ミリ波やサブミリ波帯の電磁波伝送において,媒質の違いが電波モードに及ぼす影響を明らかにするとともに,光渦ビームへの影響も調査する. 3.実際の環境を想定し,プラズマ中における光渦ビームとラゲールガウスビームの関係性を明らかにする.
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Causes of Carryover |
昨年度と同様,研究成果発表の場として予定していた国際学会が新型コロナウイルスの影響によりリモート開催となったため,旅費や滞在費等を執行できなかった.このため,375,451円の予算を次年度に繰り越すこととし,繰り越した予算は2022年度中に開催される学会への旅費ならびに滞在費に充てる.
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Research Products
(8 results)