2020 Fiscal Year Research-status Report
原子干渉計におけるデコヒーレンス時間の質量依存性の研究
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20K14482
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 圭佑 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (00795982)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 周波数安定化 / レーザー冷却 / 磁気光学トラップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、安定同位体であるルビジウム87とルビジウム85を同時にレーザー冷却・光格子トラップし、同じ環境下で原子干渉計を構成し、デコヒーレンス時間の質量依存性を精密検証することで量子重力理論の実験的検証に挑む。研究期間内に、①冷却光源・光学系と周波数安定化機構、②磁気光学トラップ(MOT)用の真空チェンバー及び観測系、③光格子用光源・光学系、④ラムゼー測定用マイクロ波源(あるいは2光子誘導ラマン光源)及びタイミング系・観測系の各種開発・評価、⑤デコヒーレンス時間の測定及び質量依存性の検証、の手順で研究を進める。2020年度は、①と②を行った。 ①冷却光源・光学系と周波数安定化機構の開発・評価 ルビジウムの冷却光源として、波長780 nm(干渉フィルタ型ECDLを1台、Littrow型ECDLを2台)及び795 nm(DFB-LDを1台)の光源を整備した。さらに、フィゾー干渉計型波長計を用いたフィードバック型のレーザー周波数安定化機構を構築した。波長計の校正光源には、蒸気セル中のルビジウムの吸収線(D2線)にModulation transfer 法を用いて周波数安定化した干渉フィルタ型ECDLを用いた。波長計を用いたレーザー周波数安定化機構において、レーザーの周波数偏移を±1 MHz以下に抑えることができた。ルビジウムのD1・D2線の自然幅~6 MHzよりも狭く、MOT光源として十分な性能を達成した。 ②MOT用の真空チェンバー及び観測系の開発・評価 MOT用の真空チェンバー及び観測系を開発し、ルビジウム87及びルビジウム85のそれぞれのMOTに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の研究期間内に、①冷却光源・光学系と周波数安定化機構、②磁気光学トラップ(MOT)用の真空チェンバー及び観測系、③光格子用光源・光学系、④ラムゼー測定用マイクロ波源(あるいは2光子誘導ラマン光源)及びタイミング系・観測系の各種開発・評価、⑤デコヒーレンス時間の測定及び質量依存性の検証、の手順で研究を進める予定である。初年度(2020年度)は①と②を行い、ともに達成した。順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、③光格子用光源・光学系、④ラムゼー測定用マイクロ波源(あるいは2光子誘導ラマン光源)及びタイミング系・観測系の各種開発・評価について、取り組む。③の光源については既存のレーザーを活用する。光パワー安定化機構については自作する。④のタイミング系の構築については、既存のソフトウェアを活用する。また、並行して、①と②の研究成果について、学会発表や雑誌論文投稿を進める。 そして、2022年度に⑤デコヒーレンス時間の測定及び質量依存性の検証、を行うことを目指す。
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