2021 Fiscal Year Annual Research Report
High precision spectroscopy of francium atoms using microwave pulses
Project/Area Number |
20K14503
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
早水 友洋 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (00831009)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フランシウム / アクチニウム / アルファ線 |
Outline of Annual Research Achievements |
フランシウム221(221Fr)原子を用いた精密分光に向けて、本年度はアクチニウム225(225Ac)を取り扱うための研究・装置開発に取り組んだ。 225Acのアルファ崩壊の反跳粒子として221Frを得ることで、長期にわたってFrを生成・入手することができ、また、レーザー光源およびマイクロ波源をFr源近傍に配置して、光の伝送距離を短くしつつ、パラメータ調整を容易に行うことが可能となる。しかし、225Acの子孫の核種には短寿命でアルファ線を放出するものが多く、これらの核種の漏出による実験室の汚染や、作業者の内部被ばくを防ぐ必要がある。そこで、光源等の搬入に先立って、221Frを225Acから効率的に取り出せる状況を維持しつつ、大強度の225Ac線源を安全に超高真空チェンバー内に導入する手法を試験した。 実験では、225Ac線源を内蔵したまま持ち運びができる移送用チェンバー、それに真空ポンプを備えた真空引き用チェンバーの2つを組み立て、16.6 MBq の225Ac酸化物が電着された白金板を、移送用チェンバー内に封入して実験室に搬入した。続いて、実験室内に設置してある真空引き用チェンバーに移送用チェンバーを結合し、バルブを開けて真空引きを行った。真空状態を得た後、捕獲用金属板を225Ac電着領域の上方を覆うように白金板に接近させ、この捕獲用金属板から飛来する放射線を、シリコン半導体検出器を用いて観測した。 その結果、捕獲用金属板の225Ac電着領域に面した側からは、221Frおよびその子孫の核種アルファ線が観測された。また、225Acの子孫の核種の真空チェンバー内表面への拡散を示唆する結果は観測されたが、実験室側への漏出は確認されなかった。これにより、本手法によって、実験室を汚染することなく221Frが得られることが確認できた。
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Research Products
(1 results)