2020 Fiscal Year Research-status Report
次世代CMB偏光観測衛星の観測感度向上を目的とした広帯域シリコン光学素子の開発
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20K14506
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
長谷部 孝 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (30794169)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / 宇宙マイクロ波背景放射 / インフレーション / ドライエッチング / 反射防止加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代の宇宙マイクロ波背景放射観測用装置の開発を視野に入れて、広帯域のシリコン光学素子の開発を行った。本年度はドライエッチング加工を用いた、多段サブ波長構造の作成の実現性の検証を行うため、35mm四方のシリコン基板表面に3層のサブ波長構造を180マイクロメーター間隔で作成した。各層の溝幅と溝深さのエッチング進行度による変化をモデル化することで、設計値に対して誤差1%以内での形状作成に成功した。 片面加工を施したシリコン基板2枚を用意し、それぞれの裏面にイオンビームを照射し表面を活性化することで、常温ウェーハー接合を行った。ウェーハー接合は外注にて行った。 サンプルの低温での透過率を測定するため、サンプルを約30Kまで冷却し、フーリエ干渉計を用いて透過率を測定した。測定の結果、200-450GHzにおいて95%以上の透過率が得られた。これは事前のシミュレーション結果と一致している。 本年度の成果によって、ドライエッチング加工を用いた多段サブ波長構造作成の手法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は新型コロナウィルス蔓延による緊急事態宣言の影響で実験の遅れが見られたが、予想よりも順調にサンプルの作成が進行したため、全体のスケジュールとしては当初の研究計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
サブ波長構造の形状に位置によるバラつきが見られたため、これが透過率にどの程度影響を与えるのかをシミュレーション結果と比較することで評価する。その後本研究結果をまとめ、論文として投稿する。
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Causes of Carryover |
計算端末を購入する予定であったが、業者の部品供給遅延の影響により、当該年度内の納品が不可能となった。そのため、次年度使用額で購入することとした。
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Research Products
(2 results)