2022 Fiscal Year Research-status Report
超高解像度電磁流体力学シミュレーションで迫る降着円盤乱流の微小スケール特性
Project/Area Number |
20K14509
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川面 洋平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (80725375)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブラックホール / 降着円盤 / プラズマ乱流 / 電磁流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、富岳を用いて史上最高解像度の磁気回転乱流シミュレーションに成功した。これまでの最高解像度は1024×1024×512グリッドであったが、今回4096×4096×2048グリッドまで到達することができた。その結果、運動エネルギーのスペクトルは波数の-3/2乗、磁場エネルギーは-5/3乗よりやや急峻になることが分かった。Cho & Lazarianによる手法を用いて、得られた乱流揺動を局所背景磁場に平行な成分と垂直な成分に分解することで、Alfven的成分と擬Alfven的成分それぞれのスペクトルを求めた。擬Alfven波は遅い磁気音波の高ベータ極限に相当する。こうして得られたスペクトルは、以前我々が簡約化磁気流体力学を用いて得た乱流スペクトル(Kawazura et al., J. Plasma Phys. 2022)と類似していることが明らかになった。この結果は、降着円盤おける簡約化磁気流体力学の妥当性を示唆しており、今後簡約化ドリフト運動論などに発展させることできることを期待させるものである。また、これ以外にも、波数のスケール依存非等方性が Goldreich & Sridharの予測である(平行方向波数) ~ (垂直方向波数)^2/3を満たすことや、非線形エネルギー伝達が局所的になることなどが明らかとなった。一方で、磁場エネルギーのスペクトルと運動エネルギーのスペクトルが一致するスケールまでは解像出来ておらず、従来のMHD乱流理論との対応が明確に取れていない。2023年度はさらなる高解像度計算を目指し、磁場エネルギーのスペクトルと運動エネルギーのスペクトルが一致を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史上最高解像度の磁気回転乱流シミュレーションに成功し、その解析も進んでいる。また関連した研究の論文出版も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
運動エネルギーと磁場エネルギーのスペクトルの傾きが収束するところまでは行けていないため、もう一声解像度を上げてシミュレーションを行う予定である。
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Causes of Carryover |
解析用のコンピュータを購入する予定であったが、既存のコンピュータでも計算可能であることがわかったため購入をしなかった。繰越分は次年度に行う海外共同研究者との議論のための渡航費に当てる予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Yohei Kawazura2022
Author(s)
Inertial range of magnetorotational turbulence: reduced magnetohydrodynamics and ultra-high resolution simulations
Organizer
6th Asia-Pacific Conference on Plasma Physics
Int'l Joint Research / Invited