2023 Fiscal Year Annual Research Report
超高解像度電磁流体力学シミュレーションで迫る降着円盤乱流の微小スケール特性
Project/Area Number |
20K14509
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川面 洋平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (80725375)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブラックホール / 降着円盤 / 磁気回転乱流 / プラズマ乱流 / 電磁流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度も昨年度に引き続き、富岳を用いて史上最高解像度の磁気回転乱流シミュレーションを行った。昨年度は4096×4096×2048グリッドであったが今回は8192×8192×4096グリッドまで拡大した。この解像度において磁場エネルギーのスペクトルと運動エネルギーのスペクトルが一致することを確認した。大スケールにおいて-5/3乗より急峻であった磁場エネルギースペクトルの傾きが-3/2へと変化する。一方運動エネルギースペクトルは全波数領域で-3/2乗であるため、小スケールにおいて磁場エネルギーと運動エネルギーのスペクトルは一致し、両者ともに-3/2乗となる。磁場と速度場の空間分布は、大スケールでは磁場は大きい構造を持つ一方、速度場は大きい構造を持たないため両者の見分けはつくが、ハイパスフィルタを通すと両者の空間分布は見分けがつかなくなる。これはスペクトルが一致することとコンシステントであり、Alfven乱流へと移行したことを意味している。エネルギー伝達関数の解析をしたところ、波数10以上はスケール間のエネルギーフラックスが一定となり、慣性領域に入っていることが示された。また、波数4以下はエネルギー伝達は局所的ではなく、一部、逆カスケードしていることもわかった。逆に波数4以上は局所的であることもわかった。つまり、波数10以上はエネルギー伝達が局所的な慣性領域になっており、Alfven乱流に移行していることも合わせると標準的なMHD乱流の描像が適応できるといえる。
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