2021 Fiscal Year Research-status Report
Challenge for convective conundrum with large-scale numerical simulations
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20K14510
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堀田 英之 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (10767271)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 太陽 / ダイナモ / 磁場 / 差動回転 / 熱対流 / 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に実施した計算では、人工的な手当てをしないで、赤道加速を達成し、本課題の大きな目標の一つを解決できた。この計算は、Hotta & Kusano, 2021, Nature Astromy, 5, 1100として発表し、プレスリリースも行った。多くの新聞でも報道され、多くの注目を集めた。本年度は、論文としてまとめる他に、今回の目的が達成された物理メカニズムを解明した。富岳での計算結果は100TB以上にもなるが、丁寧に解析することで、その物理機構の詳細を明らかにすることができた。その結果は以下である。1. 圧縮によって強い磁場が生成される。2. コリオリ力により速度同士に相関ができる。3. 2でできた相関によって、磁場にも相関ができる。4. 1と3の結果として、磁場による角運動量輸送が重要となる。5. 磁場の角運動量輸送によって作られた子午面流が赤道方向に角運動量を運ぶというものである。今回の結果は、全く新しい物理機構を提案しており、重要な結果だと認識している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年に実施した計算を、Nature Astronomyから出版できたことは、大きな成果と言える。また、解析により、赤道加速の物理機構もまで解明したことは、順調な進展と言える。 さらには、研究計画にある、太陽表面を取り入れた計算の準備も順調に進んでいる。2022年度には、全く問題なく申請時の研究計画を遂行できるであろう。 一方、COVID-19の影響で、海外出張が全くできなくなってしまったのは大きな痛手である。海外の研究者との直接のやりとりはほとんど全くなくなってしまっている。できるだけ海外の大学・研究機関でオンラインのセミナーに参加させてもらうようにしているが、より直接的なやりとりを一刻も早く再開することはこの研究にとっても重要である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究が概ね順調に進行しているため、今後も科研費申請時からほぼ変更なく実行していく予定である。2022年度では、当初の計画通り、太陽表面を取り入れた結果、太陽内部の熱対流がどのように変化していくかをみていく予定である。富岳において、太陽表面を取り入れた計算を行う準備も順調に進んでおり、スムーズに2022年度の計画を開始することができる。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、海外出張へと全く行けなくなったことが大きな影響である。2022年度には、なるべく迅速に海外出張に行き、海外の研究者と交流を再開し、研究を深化させたいと考えている。
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