2023 Fiscal Year Research-status Report
Star formation activity in the very early Universe revealed by survey of the most distant passive galaxies
Project/Area Number |
20K14516
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬渡 健 筑波大学, 数理物質系, 研究員 (00838287)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 銀河形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、宇宙最初期における銀河内の星形成がダークマターの重力集積のみで決定される現象なのか、あるいは超新星爆発などガスの輻射流体的効果を大 きく受けたプロセスなのかを判別することを目的とする。2つのシナリオの切り分けのために、赤方偏移10以上(宇宙年齢5億年以前)での宇宙全体の星形成率密度を調べる。赤方偏移10以上での星形成活動を直接的に調べる観測研究は新型宇宙望遠鏡JWSTの打ち上げ以降、議論が活発になされているが、本研究では赤方偏移6付近の年老いた銀河(passive銀河)の探査を通じて制限をかける独自かつ相補的なアプローチをとる。 2023年度の実施状況としては、まず自身の独自サンプルであるCOSMOS天域のpassive銀河候補(Mawatari et al. 2020, APJ, 889, 137)の分光追観測提案をJWST 宇宙望遠鏡第二期公募に提出していたが、残念ながら不採択になった。JWST公開データから新たなpassive銀河候補のサンプル構築を進めていたが、共同研究者が赤方偏移20の星形成銀河探査を目的として非常に似たセレクションの解析を行なっていたため、それに合流した。ここで、赤方偏移20の星形成銀河と赤方偏移6のpassive銀河は似た測光セレクションになるため、選ばれたサンプルは両方の可能性があり、どちらであっても非常に興味深いサンプルである。 また、自身が参加している他のJWST第一期観測プログラム(Hashimoto et al., ApJ, 995, 2)において、実際のデータ処理に中心的に携わり、主著論文1編、共著論文1編を準備中である。この研究においてpassive銀河の兆候がないかも調べたが、残念ながら今のところ確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
既存サンプル(Mawatari et al. 2020, APJ, 889, 137)に対するJWST宇宙望遠鏡分光追観測提案は第2期観測提案に不採択となり、進捗が遅れている。また年度後半に研究代表者の健康面の問題が生じたことも理由の一つである。 一方で、JWST第一期の撮像観測データが公開され、passive銀河探査に耐えうる質の撮像観測データが溜まりつつあるので、共同研究者とともに多波長カタログ構築とそこからのpassive銀河および超高赤方偏移星形成銀河の探査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度に解析を大きく進めたJWST第一期観測プログラム(Hashimoto et al., ApJ, 995, 2)のデータ解析について、論文執筆を行う。passive銀河の兆候は得られなかったが、初期宇宙においてpassive銀河は希少な存在であることを示す。 2023年度まででJWST公開データから構築した赤方偏移20の星形成銀河もしくは赤方偏移6のpassive銀河というユニークなサンプルについて、精査と論文執筆を完了させる。
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Causes of Carryover |
2023年度は健康面の問題から、年度後半の研究活動が滞り、予定された出張や研究解析をキャンセルせざるを得なかった。また、独自のデータ収集のためのJWST第二期観測提案に不採択になったことも研究の遅れに大きく影響している。 公開データや、自身が参加する他プログラムのデータ解析は進んでいるため、2024年度はそれらの論文出版と国際研究会での発表・議論等に繰越額と次年度請求額をあてる。
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