2023 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative assessment of star-forming activities invoked by cloud-cloud collisions in the Galactic Center
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20K14520
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
榎谷 玲依 九州産業大学, 理工学部基礎教育サポートセンター, 特任講師 (70808120)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 分子雲衝突 / 銀河系中心部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、銀河系中心部における分子雲衝突の痕跡を数え上げ、個々の衝突現場の星形成を調べることで、銀河系中心部全域の星形成において分子雲衝突 プロセスがどの程度寄与するかを定量的に探査することである。 そのために、2020-2021年度にはまず、分子雲衝突の原理・物理プロセス・痕跡・星形成に対するインパクトを正確に把握するために、これまでの分子雲衝突の研究をまとめ、論文として出版した (Fukui, Habe, Inoue, Enokiya, Tachihara 2021, PASJ, 73, 1)。 これに引き続き2022年度も、上記の分子雲衝突に見られる痕跡が銀河系中心部においても同様に見られるのか調べることを目的に、衝突が確実に起こっていると思われる領域(銀河系中心部の大質量星形成領域)に着目し、その分子ガスの詳細な解析を行った。その結果、1. 銀河系中心部においてもこれまでに報告されてきた 全ての衝突の痕跡が見つかること、2. 銀河系中心部の特異環境に起因するこの領域だけの特別な衝突の痕跡があることを発見した。これらの研究成果をまとめ、論文を投稿した(Enokiya & Fukui 2022)。 2023年度は、コロナウイルスが蔓延した影響で延期されていた国際会議において、上述の成果を発表行った (査読あり国際会議における口頭講演, Rei Enokiya, R. Konishi, Y. Fukui, K. Tachihara, K. Muraoka, and T. Onishi, "Tracing Coherent Gas Structures in the Central Region of the Starburst Galaxy NGC253", GCWS2023, Granada, May, 2023)。また、zoomにより開催された会議や学会に数多く参加し成果発表を行った。また、対面の国内会議においてはこれまで以上に密に意見交換を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルスの蔓延により対面の研究会が減り、特に国際会議で研究発表を行う機会が解禁されるまでに時間がかかってしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
国際会議への対面参加が解禁されたため、今後は積極的に海外に成果のアピールを行っていく。また、これまで通り国内向けのオンライン・対面研究会でも研究成果を広く周知していく。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの蔓延により国際会議の開催が中断されていたことにより、本来1、2年前に発表するはずだった研究の公表がまだ十分に行えていないため。最終年度には、研究成果の公表に係る費用で執行する予定である。
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