2022 Fiscal Year Research-status Report
Unraveling unconventional seismic sources using dense seismic arrays
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20K14570
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奥脇 亮 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10860091)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地震計アレイ解析 / 環境地震学 / 大気・海洋・固体地球連関 / 震源決定 / 雑微動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、本研究課題にて開発した三組アレイ震源検出手法を、日本全国に稠密に展開・整備される高感度地震観測網 Hi-net (防災科学技術研究所) の高感度加速度計連続記録や広帯域地震観測網 F-net (防災科学技術研究所) の地震波形記録のみならず、全世界に展開する広帯域地震観測網に対して拡張適用し、世界で発生する非地震性イベントの検出を行った。また、検出された震源に対して、そのメカニズム (運動履歴) を解析するために、震源近傍の広帯域地震観測網にて観測された地震波形データを用いて、セントロイドモーメントテンソルインバージョンおよびセントロイドシングルフォースインバージョンのジョイント解析を行った。これにより、例えば2022年1月15日に発生したフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山噴火前後に発生した、20から50秒の周期帯域に卓越するシグナルをもつ複数の震源が検出された。また、大規模噴火に伴う運動履歴を解析した結果、複数の爆発的事象が、質量移動を伴いながら複数回発生している様子が予察的に求まった。さらに、本研究課題にて開発した震源検出手法に対して、連続地震波形記録のうち地震動の水平成分を用いる場合、その成分を回転させることで効果的な震源検出を狙う新たな手法開発にも着手した。これにより、Hi-netにおける高感度加速度計連続記録など、観測点が稠密に分布しつつも地震動成分が限定されるようなデータを効果的に利用できることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年次計画の通り、本研究課題にて開発した震源検出法にて検出した震源に対して、その運動履歴を明らかにすべく、運動学的モデリングを開始した。当初計画していたシグナル励起源のカタログ化は遅れているものの、新たに地震動の水平成分を用いた手法開発の拡張に着手したことにより、当初の計画に比してより効果的な震源検出が可能になったため、研究の進捗はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究計画に従い、地震以外励起源のカタログ化を行う。またその励起メカニズムを明らかにするための運動学的モデリングをさらに進める。また、今年度新たに着手した地震動の水平成分を使った効果的な震源検出手法の開発をさらに進める。
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Causes of Carryover |
今年度は、非地震性震源の運動学的モデリングの予察的な解析、および、地震動の水平成分を効果的に利用する手法拡張を優先したため、当初計画していた大容量HDDおよび高性能計算機の購入は、次年度に実施する。
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Research Products
(3 results)