2021 Fiscal Year Research-status Report
過去データを活用した地震活動モニタリングシステムの構築:次の日向灘地震に向けて
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20K14579
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 裕亮 京都大学, 防災研究所, 助教 (80725052)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日向灘 / リアルタイムモニタリング / 地震活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も1996年の日向灘における大地震発生前後の地震活動についての解析を進めた.今年度は鹿児島大学の連続地震波形記録の復元に成功し,宮崎県南端の串間観測点のデータを加えた解析が可能となったため,日向灘における地震の震源決定精度が格段に向上した.昨年度から導入したIPF法による即時震源決定については,解析結果をすぐに表示できるシステムを構築した.2022年1月22日に発生したM6.6の地震では,地震発生後に表示が途切れるトラブルがあったが,震度5強の表示の問題であることが分かり,これらのバグを解消したことで今後は大地震発生時でも地震活動をモニタリングできる体制が整った.今後整備される海底ケーブル式のリアルタイム地震観測網(N-net)のデータ利用を含め,システムの改良を進める. これらに加え,今年度は2022年1月22日に発生したM6.6の地震を受けて,大地震発生後の地震活動の推移を監視するためのモニタリングツールの作成を行った.具体的には,地震発生数の状況,規模の変化,規模別頻度の状況等を,IPF法による震源決定と宮崎観測所での自動震源決定を統合処理し,逐次表示させることで地震活動の状況をモニタリングする.b値やETASパラメータの推定も実施できるように改良を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
連続地震波形の復元に用いる機材がなかなか入手できず,時間を要してしまった.また,新規観測点の設置準備については新型コロナウイルス感染症の感染拡大もあり十分に検討が進められなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
1996年の大地震前後の地震活動の解析を本格化させ,地震カタログの構築を進める.また,海底ケーブル式のリアルタイム地震観測網稼働を見越した浅部低周波微動のリアルタムモニタリングのシステム構築を進める.
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Causes of Carryover |
学会がほぼオンラインとなり,学会参加に関係する旅費の支出が今年度は不要であった.また,新規観測点の設置準備については新型コロナウイルス感染症の影響で準備が進められなかった.今年度使用しなかった旅費関係の経費は,採択時の減額により削減を余儀なくされたリアルタイムモニタリングに向けてのWebインターフェース構築に必要な経費として充当することを検討する.
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Research Products
(6 results)