2023 Fiscal Year Research-status Report
過去データを活用した地震活動モニタリングシステムの構築:次の日向灘地震に向けて
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20K14579
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 裕亮 京都大学, 防災研究所, 助教 (80725052)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 日向灘 / リアルタイムモニタリング / 地震活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルス感染症の拡大により別の科研費課題延長に伴うこれまでの遅れに加え,第一子の誕生により今年度も実質的に本課題へあまり多くの時間を割くことが難しかったが,今年度はあらたな波形モニタリングシステムの構築を進めた.これまで波形モニタリングを行うには同じネットワーク内で行う事が前提だったが,新たにデータ配信サーバーを京都大学のホスティングサービスを活用して構築し,TCP接続による同一ネットワーク外への配信を可能にした.また,WEBブラウザをつかい,TCP接続によりサーバーと直接通信し,グラフ表示と観測点の地図表示を行うJavaスクリプトの波形表示プログラムを新たに作成した.これらにより,従来はVPNの接続環境の構築等が必要であった同一ネットワーク外での波形モニタリングが可能となり,インターネット環境さえあればどこでも波形モニタリングが可能となった. また,波形のデータ配信サーバーを活用して,地震観測用の専用のネットワーク外からの地震観測データの受け入れもできるようになった.これらの今年度構築したシステムの稼働テストを実施するため,宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校の協力のもと,高感度地震計および強震計を設置し,データを新たに構築したシステムによって受信し,さらに五ヶ瀬中等教育学校において地震波形モニタリングが実施できることを確認した.このシステムは大きなトラブルもなく順調に稼働しており,安定して稼働できることが確かめられた. 昨年度導入した広帯域地震計の稼働を目指し,観測に必要な専用ケーブルの手配を進めたが,販売代理店の変更や国際情勢等々の影響により納入が年度末ぎりぎりとなってしまったため,実際の設置については次年度に持ち越しとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の拡大により別の科研費課題延長に伴うこれまでの遅れに加え,第一子の誕生により今年度も実質的に本課題へあまり多くの時間を割くことが難しかった.
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている広帯域地震観測点の運用を開始し,観測網の強化を進める.1996年日向灘地震の地震発生前後の地震活動について研究成果をまとめ,国際学術誌への投稿を目指す.
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Causes of Carryover |
今年度新たに導入を検討した広帯域地震計の納期が間に合わず,代わりに高感度地震計を導入したが,台数の制約から残額が発生した.残額は次年度に繰り越し,論文投稿・英文校正等の費用に充てる.
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Research Products
(8 results)