2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K14601
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
甕 聡子 京都大学, 人間・環境学研究科, 特定研究員 (70795228)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 造礁サンゴ / 石灰化場 |
Outline of Annual Research Achievements |
造礁性サンゴの炭酸塩カルシウム(CaCO3)骨格中に含まれる微量元素量や安定同位体比は骨格形成時の環境によって変化する。そのため古環境復元のためのプロキシーとして用いられている。しかし、プロキシーの評価として重要なサンゴの石灰化機構はわかっていない。そこで、本研究では石灰化過程の解明を目指し、これまで技術的に困難とされてきた骨格形成場である石灰化母液の直接観察手法確立を行う。手法確立後はCa安定同位体を用いてCaの生体内の挙動を追うことが可能かどうか検証を行う。 サンゴ生体部と骨格部の同時観察を行うため、生体部と骨格部を同様の硬さにする必要がある。また試料取り扱いの観点から、造礁サンゴの稚ポリプを試料として用いた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
造礁サンゴ稚ポリプの飼育を行うことができた。造礁サンゴの生体部と骨格部を同等の硬さに固化し、そのうえで生体部と骨格部が生存時の状態を保持されるような最適な手法を確立するには至らなかった。飼育の状況が芳しくなかったことに加え、令和2年度は出張が困難な状況であったため、予定していた固化実験ができなかったことに要因があると考えてる。
|
Strategy for Future Research Activity |
造礁サンゴ稚ポリプの飼育を行い、樹脂の種類や配合を変えて樹脂包埋法の最適化を図る。また、先端バイオイメージング支援プラットフォームの支援を受けて、試料を凍結させての観察方法を試行する。これらの方法を確立させ、造礁サンゴの生体部と骨格部が生存時の状態が保持されていると判断可能な観察結果を得ることを目指す。
|
Causes of Carryover |
購入予定であった高額の試薬の購入に至らなかったこと、コロナの影響で実験のための出張に行けなかったことで次年度使用額が生じた。 令和3年度は試薬の購入の他、令和2年度に検討した試料の固化実験の改善点を試行できるよう、当研究室での設備向上を行う。
|