2021 Fiscal Year Annual Research Report
その場観察に基づくCFRPの界面特性同定とマルチスケール損傷解析手法の構築
Project/Area Number |
20K14606
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
後藤 圭太 名古屋大学, ナショナルコンポジットセンター, 准教授 (00760935)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 複合材料 / CFRP / 非弾性特性 / 界面特性 / その場観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,炭素繊維強化複合材料(CFRP)の炭素繊維/マトリクス界面特性について評価することを目的として,引張試験中のその場観察によって界面はく離の発生・進展挙動を観察するとともに,結合力要素を導入したマルチスケール弾粘塑性解析によって界面特性の評価を試みた.炭素繊維/マトリクス界面損傷はCFRPに発生する最初期の損傷であり,これを起点としてトランスバースクラックや層間はく離が誘発されることから,その特性について詳細に把握することが重要となっている. 界面はく離の発生・進展挙動を観察するため,幅方向に1本の炭素繊維を配置したエポキシ樹脂試験片を作製し,引張試験を実施した.その際に,試験片側面をデジタルマイクロスコープで観察することで界面はく離の発生・進展を観察するとともに,デジタル画像相関(DIC)法により周囲のひずみ分布を測定した.試験片側面は鏡面研磨することで観察を容易にするとともに,アルミナ粉末を塗布することでDIC法のマーカーとして使用した.試験の結果,その場観察画像において界面はく離が見られるとともに,界面はく離の発生にともなって界面近傍ではひずみが顕著に増加する様子が確認された. つづいて,数値解析に基づき界面特性の評価を行った.炭素繊維/マトリクス界面は双直線型結合力要素でモデル化するとともに,マトリクスであるエポキシ樹脂は粘塑性構成式を適用し,非線形特性を考慮した.その場観察によって界面はく離の発生が確認された際の応力分布を数値解析により算出し,その結果より界面強度を同定した.また,得られた材料パラメータを用いてマルチスケール弾粘塑性解析を実施したところ,界面はく離の発生・進展挙動は実験結果と概ね一致し,本手法の妥当性が確認された.
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