2021 Fiscal Year Research-status Report
Machine learning-assisted microstructure design by magnetic Barkhausen noise analysis
Project/Area Number |
20K14607
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山崎 貴大 名古屋大学, 工学研究科, 学振特別研究員(PD) (40847240)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 磁歪材料 / 機械学習 / 組織制御 / バルクハウゼンノイズ / 振動発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、機械学習を利用した磁歪材料の組織構造予測手法の確立を目的としている。本年度は、2021年4月から2022年3月まで米国メリーランド大学へ渡航し、本研究課題の推進に必要な技術・ノウハウを取得するための在外研究を実施した。その成果の一部は学術論文誌に投稿し、現在、査読中である。さらに、本テーマに関連する他の研究テーマにおいて、学会誌への発表5件、国内学会発表2件、国外学会発表2件を実施した。 渡航先の米国メリーランド大学ではIchiro Takeuchi研究室に所属し、主に機械学習を利用して新規機能、プロセス、組織構造などの材料設計手法の開発を実施した。特に、そこで学んだ機械学習の手法を参考に本研究課題を進展させ、高い予測精度での磁性材料の組織構造の予測に成功した。さらに、特徴量重要度の寄与度ランキングを算出することにより、バルクハウゼンノイズ発生モデルが申請者の仮説に合致することを示すことができた。 また、メリーランド大学で実施した固体冷媒応用に向けた形状記憶合金の弾性熱量効果に関する実験では、TiNi合金中のTi3Ni4ナノ結晶が弾性熱量効果の開始温度低温化及び変換効率の向上に大きく寄与することを明らかにした。帰国後もTakeuchi教授とのプロジェクトを継続しており、引き続き、そのデータ取得、論文執筆に関する議論を実施していく予定である。 上記研究経験は、本研究課題である磁歪材料におけるナノ組織と磁気・磁歪特性の因果解明に密接に関係しているため、新たな視点での更なる研究開発の推進が期待できる。最終年度は、初年度明らかとなった技術課題を達成し、ナノ組織制御により高性能化した磁歪材料の機能発現メカニズムの解明を実現するため、高磁歪ナノ結晶分散アモルファス合金薄膜のバルクハウゼンノイズ測定と機械学習を援用した信号解析を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、2021年4月から2022年3月まで米国メリーランド大学へ渡航し、本研究課題の推進に必要な技術・ノウハウを取得するための在外研究を実施した。その成果の一部は学術論文誌に投稿し、現在、査読中である。さらに、本テーマに関連する他の研究テーマにおいて、学会誌への発表5件、国内学会発表2件、国外学会発表2件を実施した。そのため、現在までの進捗状況として、おおむね順調に進展していると考えている。以下に進捗状況の詳細を示す。 渡航先の米国メリーランド大学ではIchiro Takeuchi研究室に所属し、主に機械学習を利用した新規機能、プロセス、組織構造などの材料設計手法の開発を実施した。特に、そこで学んだ機械学習の手法を参考に本研究課題を進展させ、高い予測精度での磁性材料の組織構造の予測に成功した。さらに、特徴量重要度の寄与度ランキングを算出することにより、バルクハウゼンノイズ発生モデルが申請者の仮説に合致することを示すことができた。現在、学術雑誌に投稿中である。また、固体冷媒応用に向けた形状記憶合金の弾性熱量効果に関する実験では、TiNi合金中のTi3Ni4ナノ結晶が弾性熱量効果における開始温度の低温化及び変換効率の向上に大きく寄与することを明らかにした。帰国後もTakeuchi教授とのプロジェクトを継続しており、引き続き、そのデータ取得、論文執筆に関する議論を実施していく予定である。 渡米研究中に実施した別の材料系で上記研究の経験は、本研究課題である磁歪材料におけるナノ組織と磁気・磁歪特性の因果解明に密接に関係している。そのため、当該年度での新たな視点で実施した研究活動は、本研究課題の更なる推進に期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、2021年4月から2022年3月まで米国メリーランド大学へ渡航し、本研究課題の推進に必要な技術・ノウハウを取得するための在外研究を実施した。最終年度は、この経験で学んだ機械学習の手法や材料の評価手法を活かして、初年度に明らかとなった技術課題の達成を目指す。具体的には、研究対象とする材料系については、初年度に着手したナノ結晶分散アモルファス磁歪材料に着目し、過去研究として取り組んできた多結晶組織の解析結果と比較しながら、ナノ組織解析に適用可能なバルクハウゼンノイズ測定および解析手法の開発を実施する。 さらに、MEMSコイルの磁化検出強度の限界を再検討することで、周囲に設置する外付けコイルの改良、あるいは、磁気インピーダンス現象を利用したMIセンサを本計測手法に適用することも検討する。これにより、薄膜サンプルから高感度なバルクハウゼンノイズ計測および、ナノ組織解析手法の確立を目指す。 また、ナノ結晶分散アモルファス磁歪材料の更なる高性能化を目指し、薄膜サンプルの作製条件の検討と透過型電子顕微鏡観察とその元素分析によるナノ組織制御を実施する。これにより、添加元素により変化するナノ結晶化過程および磁化・磁歪特性を評価することにより、磁化率と磁歪最適となる添加元素濃度を決定する。 このような研究方策により、ナノ組織制御により高性能化した磁歪材料の機能発現メカニズムの解明を実現するための、高磁歪ナノ結晶分散アモルファス合金薄膜のバルクハウゼンノイズ測定と機械学習を援用した信号解析を実施する。
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Research Products
(9 results)