2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of functionally graded 4D printing method for glass fiber reinforced shape memory composites
Project/Area Number |
20K14630
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
酒井 康徳 芝浦工業大学, システム理工学部, 助教 (70774769)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生産加工 / 3Dプリント / 機能性材料 / 複合材料 / 傾斜機能材料 / 形状記憶材料 / ポリマー / 射出成形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,傾斜形状記憶部品の創成が可能な新規複合材料の3Dプリント技術FAAM(Fillament Added Additive Manufacturing)の確立および,それを用いたガラス繊維形状記憶ポリマGFR‐SMPの開発を目的とする. 当初は,令和3年度の計画のなかで,FAAMによって製造した形状記憶ポリマ複合材の物性評価を行う予定であった.しかし,コロナ禍の影響により,令和2年度にまずは形状記憶ポリマの物性評価を行うこととし,令和3年度に,FAAM装置の設計・試作を行うように計画を修正した. 令和3年度は,長繊維と樹脂を複合しながら3Dプリントできる材料供給ノズルの設計を検討した.材料射出スクリュによる樹脂流動特性を有限要素シミュレーションによって検討することで,最適なノズル形状やスクリュ形状を決定した.このシミュレーションに基づいて,FAAM装置の材料射出部分やノズル駆動ステージの試作を行った. コア材料となる繊維は,連続的にノズルから造形プレートへと供給される.しかし,ブレードによる切断を行った後,再度ノズルから安定的に繊維を供給することが難しい問題や繊維へのマトリクス樹脂の含浸状態が不十分になる問題が生じた.これらについては,次年度の計画のなかで,改善にむけた検討が必要となる.具体的には,現在はスクリュ軸中心から供給している繊維の供給方法の再検討や,含浸プロセスを考慮したノズル長さの再設計が挙げられる.これらの問題を解決したのち,FAAM装置として試験片作成をしていきたいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を大きく受けた初年度の遅れの影響を受けているため,当初計画よりも若干の遅れが生じている.しかし,その遅れも徐々に取り戻している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までにFAAM装置の設計・試作と,ガラス繊維強化形状記憶ポリマの物性評価を行うことができた. 本研究課題の最終年度となる令和4年度には,実際にFAAMで製造した複合材料の機械的特性や変形挙動が,シミュレーションによる結果とどの程度一致するのかを比較検討する.具体的には応力ひずみ線図や熱-力学サイクル実験等により特性比較を行う. さらに,テーブルやノズルの温度,スクリュー回転速度などの加工条件が,造形物の特性に与える影響についても評価する.クラッド-コア比を変えるために繊維直径を変えた造形を行い,クラッド-コア比の変更による傾斜機能組成の実現にチャレンジする. また,所望の形状記憶特性を得るためには,造形条件を連続的に変更する必要があるため,令和2年度に作成したシミュレーションモデルを用いて,材料のサーもメカニカル挙動を予測する手法を検討する.実験とモデル計算とでは結果に定量的・定性的な差異が生じると考えられるため,その要因を特定し,モデルを修正していくことを考える. 最終年度となるため,これまでに得られた成果や知見を学術論文という形でアウトプットするとともに,FAAM技術のさらなる高度化に向けた課題の洗い出しや,具体化を行っていきたいと考えている.また,本研究課題によって得られた知見を下に,フィラメント材料を複合した傾斜複合材料の積層造形技術の理論体系化を図るとともに,今後の繊維傾斜記憶材料の応用利用についても検討する.
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Causes of Carryover |
試作装置部品の一部が未完成であるため,その設計・製造にかかる費用を次年度へ繰り越した.また,令和2年度に実験ができなかったことも要因である. 最終年度には,これまでの遅れを取り戻すためにも,FAAM技術を用いた造形物の試作・評価のために,計画通りに執行していく.
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Research Products
(5 results)