2022 Fiscal Year Annual Research Report
均質化法に基づく高性能研磨パッドの創成を目的とした最適設計法の開発
Project/Area Number |
20K14636
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 悠暉 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00845448)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 均質化法 / トポロジー最適化 / レベルセット法 / 研磨加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、代表的な研磨加工で用いられる研磨パッドを対象とした最適設計法の開発を目標としている。本年度は、前年度までに数値実装を行った均質化法を用いたトポロジー最適化法の枠組に基づき、流体潤滑問題を対象にトポロジー最適化を行った。 研磨加工では、研磨パッドと加工対象であるウェハの間に砥粒を含むスラリーを介在させ、パッドとウェハを相対運動させることで研磨を進展させる。研磨加工の進展度合いを表すウェハの除去率は、研磨圧力に比例することが経験的に知られている。そこで、研磨圧力を最大化するために、パッドのテクスチャ構造を最適化するトポロジー最適化問題を定式化した。スラリー内の圧力分布は、レイノルズ方程式によって表される流体潤滑問題を解くことによって得られる。トポロジー最適化では、目的関数を最小化するための構造変更の指針となる設計感度が必要となる。本研究では、設計感度であるトポロジー導関数を導出した。その妥当性を検証するために、数値差分と比較を行った結果、導出したトポロジー導関数と数値差分は高い精度で一致しており、その妥当性を確認することができた。得られたトポロジー導関数を用いてレベルセット法に基づくトポロジー最適化を行った結果、与えられたパッドとウェハ間の相対速度の下で、研磨圧力を最大化するようなテクスチャ構造を得ることに成功した。得られた最適構造は、圧力低下の原因となるキャビテーションが生じにくい形状となっており、物理的にもその妥当性を確認することができた。
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