2020 Fiscal Year Research-status Report
宇宙構造物を対象とした不確定性を考慮した設計支援ツールの構築
Project/Area Number |
20K14637
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伊藤 誠 金沢大学, 機械工学系, 助教 (30845160)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 不確定性 / 最適設計 / 信頼性 / 航空宇宙工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,宇宙構造物を対象とした不確定性を考慮した設計支援ツールを構築することである.そのために,不確定性の定量化,最適設計手法,シミュレーション技術の3つの技術要素を統合させることが重要と考えられる. 2020年度の研究成果として,不確定性を考慮した最適設計の計算効率向上のために,応答曲面を利用した信頼性に基づく帯域的最適化手法を開発した.この手法の特徴は,シミュレーションによる関数の評価回数(ファンクションコール)を削減するために,応答曲面に追加するサンプル点の配置方法を工夫した点にある.その結果,従来手法と比較してファンクションコールを削減しつつ最適解を得ることができることを明らかにした.また,この手法をスマート形状可変鏡のアクチュエータ構造の設計に適用した,高い信頼性と性能を両立した構造形態を得た.これにより,当初の目的である宇宙構造物を対象とした不確定性を考慮した設計への適用可能性が示された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を達成する上で必要な設計手法の開発に一定の成果が得られているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,不確定性を定量化する手法の開発及び,設計手法との統合を図る.不確定性の定量化では,申請者がこれまでに開発している統計分布を仮定した定量化手法を基に,サンプル数が少ない問題に対応できるよう改良を加える予定である.また,設計した構造物に対して,実機による実験を実施して妥当性検証を行う予定である.
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により予定していた出張がオンラインとなった事による旅費の余剰分が主な原因であり,次年度以降は設計した実機を用いた実験が必要となるため,これらを使用することを予定している.また,構造解析ソフトの導入費用にも充てることを検討している.
|