2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a numerical model to clarify the rupture/damage mechanics of the red blood cell
Project/Area Number |
20K14651
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
ニックス ステファニー 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (00756637)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 赤血球 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,赤血球膜の破裂の物理学的なメカニズムを解明することを目的としている.そのために,赤血球膜の実構造を考慮した数値モデルを導入し,赤血球の破裂が発生する流体力学的条件を調査する.本年度では,赤血球膜の細胞骨格ネットワークの連結度を反映した赤血球膜のメッシュの自動生成を行い,赤血球が浮遊している流体を解くプログラムに導入した.赤血球膜の細胞骨格ネットワーク上では,連結度の異なる2種類の頂点が存在する.そのため,膜の細胞骨格をメッシュにした場合,三角形,四角形,五角形などの要素が混在している.本研究課題に用いる流体力学の計算手法では,膜全体に対する積分を高精度で数値的に解く必要があるため,膜と周りの流体を連結するのに非常に時間を要した.次年度では,臨床的・実験的に赤血球の破裂が発生する流体力学的条件を先行研究からシミュレーションで再現し,本研究課題の提案手法を検証する.検証のシミュレーションから得られた適切な物理量やモデルのパラメータから,膜の細胞骨格ネットワークにおける2種類の頂点の連結度が破裂時の赤血球全体の挙動にどのように影響するかを明らかにする.先行研究により,赤血球が古くなればなるほど少しずつ変形能を失うことが報告されており,十分に変形することができなくなれば脾臓を通れなくなり分解される.本研究課題では,変形能が減少する原因は,赤血球膜の細胞骨格ネットワークの連結度に変化が生じることで変形に対する抵抗の増加であることと仮定する.赤血球膜の細胞骨格ネットワークの連結度と赤血球膜の硬化の関係性の解明を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では,赤血球膜の破裂の物理学的なメカニズムを解明することを目的としている.そのために,赤血球膜の実構造を考慮した数値モデルを導入し,赤血球の破裂が発生する流体力学的条件を調査する.本年度では,赤血球膜の細胞骨格ネットワークの連結度を反映した赤血球膜のメッシュの自動生成を行い,赤血球が浮遊している流体を解くプログラムに導入した.赤血球膜の細胞骨格ネットワーク上では,連結度の異なる2種類の頂点が存在する.そのため,膜の細胞骨格をメッシュにした場合,三角形,四角形,五角形などの要素が混在している.本研究課題に用いる流体力学の計算手法では,膜全体に対する積分を高精度で数値的に解く必要があるため,膜と周りの流体を連結するのに非常に時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では,臨床的・実験的に赤血球の破裂が発生する流体力学的条件を先行研究からシミュレーションで再現し,本研究課題の提案手法を検証する.検証のシミュレーションから得られた適切な物理量やモデルのパラメータから,膜の細胞骨格ネットワークにおける2種類の頂点の連結度が破裂時の赤血球全体の挙動にどのように影響するかを明らかにする.先行研究により,赤血球が古くなればなるほど少しずつ変形能を失うことが報告されており,十分に変形することができなくなれば脾臓を通れなくなり分解される.本研究課題では,変形能が減少する原因は,赤血球膜の細胞骨格ネットワークの連結度に変化が生じることで変形に対する抵抗の増加であることと仮定する.赤血球膜の細胞骨格ネットワークの連結度と赤血球膜の硬化の関係性の解明を目指す.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により,当初予定していた国際学会における研究成果の発表をすることができず,オンライン学会の参加のみとなった.次年度から対面での学会参加が可能となる見込みがあるため,予定通り成果発表等に予算を使用する予定である.
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