2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of flow control technique using transient aerodynamic force with a microdevice
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20K14653
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
関本 諭志 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50783817)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | DBDプラズマアクチュエータ / 翼周り剥離制御 / 過渡過程現象 / 実験的非定常計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,流体制御マイクロデバイスであるDBDプラズマアクチュエータ(以下PA)による翼周り剥離流れ制御を対象とし,制御開始から準定常状態に至るまでの過渡過程現象に注目した研究である.流れが制御されていくプロセスを明らかにし,そして準定常的な流れの観察から導かれた現在の制御指針に加えて,過渡的な流れの変化を考慮した新たな制御手法の確立を目指している.2022年度は,前年度未実施の非定常圧力計測による表面圧力時系列解析を実施した.翼表面に取り付けた複数の非定常圧力センサーを用いて,PAの制御開始前後の非定常な流れの遷移を観察する.前年度実施したPIV計測による流れ場計測とは異なり,剥離せん断層の具体的な位置はわからないものの,特に前縁及び後縁における圧力係数の時系列変化から,おおよその流れの様相を判断することができる.加えて,PIV計測に比べて計測・解析にかかる時間が非常に短いことから,多くの条件で計測が可能である.過去の研究から大失速芸角に対して,ONOFFを断続的に繰り返すバースト駆動では制御性能に上限があることが指摘されていたが,機械学習を用いた研究から,バースト駆動を組み合わせた駆動をすることで制御性能を更に上げられることが判明している.その研究で提案された条件を含め,多くのバースト駆動を組み合わせた条件で実験を行った.その結果,空気力を非定常に増大する条件が見出された.一方で,空気力の増大は非常に不安定に発生することも解析から判明し,流れ(剥離せん断層)の状態とPAの駆動タイミングの関係についてさらなる解析が必要である.ここまで得られた結果を踏まえて,2023年度の研究に取り組み,最終的に非定常な空気力上昇を利用した流体制御技術の提案につなげる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は多条件における非定常圧力計測による表面圧力時系列解析を実施した.このデータから,プラズマアクチュエータの制御とそれに伴う流れの遷移の様相について多くのことがわかった.一方で,昨年度はPIVシステムの冷却装置に故障があった.本PIV装置は海外製であり,修理に必要な物品を海外から調達する必要があったが,昨今のコロナウイルス蔓延に伴う世界情勢から,修理に必要な物品の調達に時間がかかり,年度内に予定していた高速度カメラを用いたPIV流れ場計測実験が実施できなかった.これを考慮して課題期間の延長申請をし,2023年度に課題を継続することとした.このような現状を鑑み,「やや遅れている」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り,昨年度実施予定であった「高速度カメラを用いたPIV計測によるせん断層空間分布時系列解析」が実施できておらず,準備ができ次第,可及的速やかに本項目の実施を進める.また,「非定常圧力計測による表面圧力時系列解析,及び非定常な空気力向上をもたらす駆動パラメータの整理」に関して,おおよその駆動条件は明らかになったものの,その効果は恒常的なものではなく,不安定に発生するものであった.そのため,良好な結果を得られた条件に焦点を当てて追加データ取得をするとともに,駆動前流れ場の状態と制御効果との比較をすることで,適切な駆動タイミングに関する議論を進める.以上のを踏まえ,最終的に非定常な空気力上昇を利用した流体制御技術の提案につなげる,本研究課題の成果として課題期間中の研究発表を目指す.
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Causes of Carryover |
実験で使用するPIVシステムの冷却装置が故障し,修理に必要な物品を海外から調達する必要があったが,昨今のコロナウイルス蔓延に伴う世界情勢から,修理に必要な物品の調達に時間がかかった.そのため,年度内に予定していた高速度カメラを用いたPIV流れ場計測実験が実施できず,高速度カメラレンタルに計上分が使用できなかった.コロナウイルスに影響した事由のため課題期間延長申請を行い,次年度使用が生じた.修理は完了しており,高速度カメラレンタル依頼先と日程が調整でき次第実験が可能である.今年度使用額の殆どは高速度カメラレンタル代に計上予定であり,9月末を目処に使用予定である.
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