2021 Fiscal Year Annual Research Report
同位体および異種原子層により複合化した単層カーボンナノチューブの熱伝導計測
Project/Area Number |
20K14660
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井ノ上 泰輝 大阪大学, 工学研究科, 助教 (00748949)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / 窒化ホウ素 / 同位体 / ヘテロ構造 / 熱伝導 / 薄膜 / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、既存のナノチューブの外層へのカーボン(グラフェン)層の導入による新たな同心ヘテロナノチューブ構造の構築を実施した。市販の窒化ホウ素(BN)ナノチューブ(BNNT)を用意し、液体中への分散および真空濾過によりBNNT薄膜を形成して、ヘテロ層合成のテンプレートとした。光加熱型の化学気相成長装置を用い、エタノールを原料として合成温度1000-1500℃程度においてBNNT上へのカーボン層の合成を行った。得られたサンプルに対してラマン分光法、紫外可視吸収分光法、近赤外分光法、X線吸収分光法、透過型電子顕微鏡法などによる構造分析を行い、サンプル上の一部においてグラフェン化した層の形成を確認した。さらに、テンプレートのBNNT構造中においては炭素原子による窒素・ホウ素原子の置換は生じておらず、元の構造が保持されていることを確認した。これまでに実現された単層カーボンナノチューブ(CNT)外層へのBN原子層などのヘテロ構造構築に加えて、カーボン層合成を可能とする本手法により、ヘテロ構造作製の自由度が飛躍的に増大することが期待される。 研究期間全体を通じて、単層CNT薄膜上へのBNNTの被覆による熱伝導度の向上を実現するとともに、異なる熱・電気・光学特性、酸化耐性などを有する異種ナノ物質の複合化により、両者の特長を併せ持つ機能化材料を構築できることを実証した。また、部分的に異なる同位体比率の炭素原子が交互配列した孤立単層CNTを作製した。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] Growth mechanism and handedness relation of one-dimensional van der Waals heterostructures2021
Author(s)
Yongjia Zheng,Akihito Kumamoto,Rong Xiang,Kaoru Hisama,Keigo Otsuka,Yuta Sato,Taiki Inoue,Shohei Chiashi,Daiming Tang,Qiang Zhang,Anton Anisimov,Esko Kauppinen,Kazu Suenaga,Yuichi Ikuhara,Shigeo Maruyama
Organizer
International Conference on the Science and Application of Nanotubes and Low-dimensional Materials (NT21)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Growth mechanism and handedness relation of 1D SWCNT-BNNT van der Waals heterostructures2021
Author(s)
Yongjia Zheng,Akihito Kumamoto,Kaoru Hisama,Keigo Otsuka,Yuta Sato,Taiki Inoue,Shohei Chiashi,Daiming Tang,Qiang Zhang,Anton Anisimov,Esko I. Kauppinen,Kazu Suenaga,Yuichi Ikuhara,Rong Xiang,Shigeo Maruyama
Organizer
第61回フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウム
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