2023 Fiscal Year Annual Research Report
測温抵抗体CTと相関解析による流路断面の瞬時温度・速度分布測定法の開発
Project/Area Number |
20K14669
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
出島 一仁 滋賀県立大学, 工学部, 講師 (20846810)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抵抗線CT / 温度分布 / 相関解析 / 計測技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱流体機器の検査や評価のため,流路断面における流体の温度および速度分布を安価かつ簡便に測定する手法の開発が求められている.本研究では,医療分野などで利用されるCT(Computed Tomography)技術と,温度センサの一種である金属細線式測温抵抗体を組み合わせた温度分布測定法を開発する.加えて,流路上流と下流で同時に温度を測定し,その変動の位相差から流体の速度を推定することで,温度と速度の同時測定を実現することを目指す. 2023年度は,CTにおいて投影方向数が温度場再構築の精度に与える影響を調査した.熱電対による局所温度測定値と比較したところ,3方向測定では誤差48.9%,4方向測定では22.4%,5方向測定では16.1%となり,投影数を増加させることで,温度測定精度が向上することが確認できた.また,加熱位置を変化させた場合の誤差には大きな変化はみられず,本研究の実験条件の範囲では影響は小さいことがわかった.また,位相差から推定された速度の検証を行った.抵抗線設置位置の下流に可視化観察用の透明流路を設置し,粒子画像流速計(PIV)との同時測定を行った.2022年度では抵抗線設置に伴う流路直径の拡大により流れが剥離し,一部で逆流が生じたために正しく速度測定が実施できていなかった.そこで,流路直径が変化しないよう流路を改良した.その結果,抵抗線で得た温度変動の位相差から算出される速度は,PIVで得た速度の最大値とおおむね一致することがわかった.位相差から得られる速度が平均速度に一致するような補正係数を見積もることで,CTによる速度分布の再構築が可能になると考えられる.
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Remarks |
滋賀県立大学工学部機械システム工学科エネルギーと動力分野ホームページ https://www.mech.usp.ac.jp/~prw/research.html
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