2020 Fiscal Year Research-status Report
Effective heat transfer enhancement and the application using dissimilarity effect of localized turbulence
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20K14671
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
福留 功二 東京理科大学, 工学部機械工学科, 助教 (70710698)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乱流 / 乱流スポット / 非相似性 / 熱交換器 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,省エネルギーの観点から熱交換器の性能向上は避けることができない課題である.これは効率の良い熱交換特性を有する流れの実現が目的とされるが,熱輸送と流体摩擦にはコルバーンのアナロジーに代表される強い相似性があり,熱輸送のみを向上させることは困難である.よって,伝熱促進としてフィンなどを施す受動制御により熱輸送を増加させることが可能であるが,それに伴う流体摩擦の増大やゴミの付着による性能低下は避けられない. 本研究では,コルバーンのアナロジーを逸脱した熱輸送を効率的に行う流れとして,乱流スポットなどの乱れが間欠的に存在する流れに着目し,その有用性を定量的に評価する. 直接数値シミュレーションを用いて平面クエット流に発達する乱流スポットの熱輸送と運動量輸送の非相似性を解析した.層流の平面クエット流に2対の渦対を導入することで乱流スポットを発生させ,速度場と温度場の初期条件や境界条件は完全に相似性なものから非相似性の発現を観察した. 乱流スポットは,初期において比較的静穏でスパン方向にほぼ左右対称の乱れが発達し,その後,第二ステージとして小さな渦を伴いながら急激な空間的発達を示す.この初期において,わずかに熱輸送が卓越する状態が発生し,第二ステージでは熱輸送が大きく卓越した状態となることが分かった.この第二ステージにおける非相似性は,乱流スポットが成長するとともに増大し,10%弱の熱輸送卓越が達成される.非定常流に対するFIK恒等式による解析により,この非相似性の発現は,乱流運動によることが分かった. この成果は,第36回生研TSFDシンポジウム「乱流シミュレーションと流れの設計-環境制御とCFDの新しい展開-」において発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乱流スポットの成長過程で発生する非相似性の主要因が平均速度の変化ではなく乱流構造であることが分かった.ただし,非相似性を発生させる乱流構造の発現機構が未知であり,現在,こちらの調査を進めている.また,初期攪乱の影響も調査し,乱流スポットの発生方法において非相似性の発生がロバストな現象であることを確かめた.以上の通り,現在までで研究の達成度は「おおむね順調」であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は実用の熱交換器への応用を見据えて,初期攪乱の最適化,高レイノルズ数への展開,体積力(浮力やコリオリ力)の影響を調査し,非相似性が発現する状態を明らかにする.
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Causes of Carryover |
国際学会と一部の国内会議がコロナの影響で順延・オンライン開催となり旅費の支出が無かった.この差額は,2021年度により高性能な計算機の購入を行い研究の促進を図る予定をしている.
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Research Products
(2 results)