2020 Fiscal Year Research-status Report
Clarification on growth process of flow-induced gel and it's limitation
Project/Area Number |
20K14673
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
原 峻平 同志社大学, 理工学部, 助教 (20844088)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソフトマテリアル / 流動誘起ゲル / 相転移 / 開水路 |
Outline of Annual Research Achievements |
流動誘起ゲル相転移を利用した新技術・次世代の新規高機能性材料の開発等に向け,信頼性の高い流動誘起ゲルの理論の構築が必要とされる.本研究では,広い開水路の底面から浸出壁を介して界面活性剤溶液を浸み出すことで,開水路乱流中に流動誘起ゲルを作り出し,その時の空間的挙動を実験的に調査する.そして,流動と流動誘起ゲル構造に関する双方の解析を通じて,流動条件ごとの流動誘起ゲルの時空間構造を明らかにし,開水路乱流中で形成される流動誘起ゲルの成長過程と成長限界を解明することを目的とする. 本年度は実験に必要な開水路の設計製作及び試運転を行った.開水路は整流板込みの流入部,助走区間部,浸出板付き部と流出部から構成される.板金で構成された開水路は各所に支持部を設けることで流動によって変形しないよう設計されている.本研究の要である浸出板付き部は,可能な限り大きくかつ平らな金網面を有しており,観測用の窓を4か所設けている.試運転時には,開水路の下流側にある邪魔板の枚数またはその穴径を変えることにより広い範囲で水位を変更することが可能であった.また,開水路流の流量を計測しつつ制御することでレイノルズ数を広範囲で変更可能であることも同時に確認した.また,限られた条件ではあるものの,界面活性剤溶液を浸出版から開水路流に浸出することで流動誘起ゲルが形成されることを定性的に確かめることができた.そのため,製作した装置が本研究の目的を達成するための性能を有していると判断し,実験準備が8割完了したと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスパンデミックにより実験計画に遅れが生じたものの,今年度は開水路の設計製作及び試運転を試みた.完成した開水路は整流板込みの流入部,助走区間部,2000mmの浸出板付き部と流出部から構成され,全長7mとなった.板金で構成された開水路は各所に支持部を設けることで流動によって変形しないよう設計されている.本研究の要である浸出板付き部は,可能な限り大きくかつ平らな金網面を有しており,観測用の窓を4か所設けている.また,試運転時に調査した開水路の最大水位は40 cmであったため,ゲルの成長過程を調べるために十分な水位を確保できていると判断した.本装置は,水位とバルク流速で構成されるレイノルズ数が最大1万まで変更可能であり,調査対象の乱流まで観測できることも確認した.また,限られた条件ではあるものの,食紅によって可視化された溶液が開水路流に浸出されるとゲル化する様子を捉えることができた.これらからを踏まえると本研究の目的を達成するための実験準備が8割終了したと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は開水路流れへ浸出板から界面活性剤溶液を浸み出させ,主流速度,浸み出し速度,溶液濃度を変更しつつ,流動誘起ゲルが形成されるかどうか調べ,その流動条件を特定する.その後,高速度カメラとレーザを利用して粒子画像流速計測とレーザ誘起蛍光法を行い,速度場・濃度場を吟味することでゲルの成長限界を明らかにする予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスパンデミックにより実験計画に遅れが生じた.界面活性剤の購入,光学部品の購入,ゲル作製に用いる専用メッシュの複数購入の費用へ当てる予定である.
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