2023 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification on growth process of flow-induced gel and it's limitation
Project/Area Number |
20K14673
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
原 峻平 同志社大学, 理工学部, 准教授 (20844088)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ソフトマテリアル / 流動誘起ゲル / 相転移 / 開水路 |
Outline of Annual Research Achievements |
流動誘起ゲル相転移を利用した新技術・次世代の新規高機能性材料の開発等に向け,信頼性の高い流動誘起ゲルの理論構築が必要とされる.本研究では,広い開水路の底面から浸出壁を介して界面活性剤溶液を浸み出すことで,開水路乱流中に流動誘起ゲルを作り出し,流動誘起ゲルの時空間的挙動を実験的に調査した.そして,開水路乱流中で形成される流動誘起ゲルの成長過程と成長限界の解明を試みた. 界面活性剤溶液の開水路乱流に同種溶液を浸出させると浸出壁から流動誘起ゲルが形成されることがわかった.流動誘起ゲルはスパン方向に縞状の分布を持ち,流れ方向に一定の周期で揺らいでいた.また,開水路乱流の溶液が水であったとしても,界面活性剤溶液を浸出することで小規模の流動誘起ゲルが形成された.浸出を開始してから流動誘起ゲルは徐々に大きくなり,ある時間を堺に急激に成長した.そして,画像解析に基づいて流動誘起ゲルの厚みを調べたところ,流動誘起ゲルは10 cmオーダーの大きさまで成長することがわかった.また,流動誘起ゲルの成長に及ぼす乱流の影響を明らかにするために,一様せん断乱流に設けたメッシュ付きノズルから形成される流動誘起ゲルの厚みを調べた.そして,その厚みは,動粘度および主流方向速度変動の乱れ強度と積分長スケールで構成される乱流レイノルズ数によって整理可能であった.開水路乱流中に形成された流動誘起ゲルは固体的な性質を有するとともに流れをせき止めていた.流動誘起ゲル内部の粒子軌跡から,粒子は内部を縦断して主流に合流することと,高速な流れから瞬間的に横向きの力を受けると流動誘起ゲルの表層部分のみ連動することがわかった.
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