2021 Fiscal Year Research-status Report
An ultra-compact magnetically levitated pediatric ventricular assist device with low level heat generation utilizing bio-fluid transportation
Project/Area Number |
20K14677
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
長 真啓 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (30735105)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 磁気浮上モータ / 補助人工心臓 / 小児 / 省エネルギー化 / 血液ポンプ / チタン / 耐加速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
圧粉磁心をコア材料に用いた磁気浮上モータ,ダブルボリュート構造を有する樹脂製のポンプケーシング,目玉径を拡大したチタン製の浮上インペラを製作し,小児用補助人工心臓試験機を構築した.本試験機では,非接触で浮上インペラを支持可能であること,回転数4000-5000 rpmにおいて,揚程60-100 mmHgに対して流量を0.5-2.0 L/minまで調節可能であることを実証し,小児用補助人工心臓に必要な循環補助性能を得た.本動作範囲における磁気浮上,回転に必要な入力電力は1.5-3 Wであり,十分に低消費電力での駆動を実現できた.また,代表動作点である回転数4000 rpm,流量1.5 L/min駆出時において加振実験を実施し,5 Gの外乱加速度に十分対抗できることを確認した. 昨年度の検討課題であった,チタンケーシングを用いた際の渦電流変位センサの出力低下について,ポンプケーシングに純チタン,浮上インペラにチタン合金を用いることで出力感度を高めることができ,チタン壁厚さの薄肉化,センサ変換機の改良を行うことで,樹脂製ポンプケーシングを用いた血液ポンプと同等の出力感度を担保できた. チタン製のポンプケーシング,浮上インペラを用いた小児用補助人工心臓試験機を製作した.本試験機でチタン隔壁を透過して浮上インペラの位置検出が可能であることを確認した.また,ポンプの非接触駆動を実現し,樹脂製ポンプケーシングを用いたときと同様のポンプ特性を発揮できた.ポンプ駆動時(4000 rpm,流量約1.5 L/min)の浮上インペラの軸方向振動振幅は0.02 mm,最大傾き角度は0.43 degと小さく,非接触ポンプ駆動に十分な振動抑制性能を有していた.この時の入力電力は3.3 Wであり,機器の表面温度上昇は3.2℃であった.本実験において過度な発熱はなく,血流に対する熱放散も期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,チタン製ポンプの設計,製作,および完全チタン製血液ポンプの動作検証を実施し,製作した補助人工心臓試験機が十分な性能を有することを確認できている.
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Strategy for Future Research Activity |
血液ポンプ駆動時の非接触インペラ支持性能,消費電力,ポンプケーシングを用いた熱放散に関する検証を進め,開発機器が十分な磁気浮上安定性を担保しつつ,どこまで発熱抑制が行えるかを評価する.良好な結果が得られた場合には,動物血液の循環によるin-vitro試験,または動物実験による生体評価を行い,本研究の有効性を確認する.
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Causes of Carryover |
出張旅費が生じなかったため.モータコア,巻き線等の流用可能な部品については,可能な限り再製作を行わず効率よく使用するようにしたため. 令和4年度には,モータの追加製造,位置検出センサなどの消耗品をはじめ,チタン製血液ポンプを用いた磁気浮上性能,循環補助性能などの評価システム構築への使用を予定している.
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