2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the dynamics of graphene-doped liquid crystals for high power vibration energy harvesting
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20K14678
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三好 智也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (90809641)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 液晶 / グラフェン / 環境発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は主に,大出力の環境発電デバイス実現に資するグラフェンと液晶のダイナミクスの解明のための、グラフェンを分散させたネマティック液晶コロイドの調製とその基礎的な物性評価について理論と実験の両面から検討を行った。 液晶の振動発電応用のためには、動作流体として液晶が流動するときの液晶材料の誘電特性を評価することが大きな課題である。この課題に関する主たる結果として,振動発電系を模擬した液晶セルを用いる誘電特性計測手法を提案し,評価用液晶セルを作成し、サイズや濃度、化学組成を変化させてグラフェンを分散させたネマチック液晶試料のインピーダンス変化の実験的な検証を行った。異方性誘電率や抵抗率を含む誘電特性に対する液晶サンプルの各々のパラメータの影響を計測することに成功し、提案する評価手法の有効性を示した。 また、磁場と電場を印加したときのグラフェンとネマチック液晶の分散系の流動時の誘電特性を解明するために、数理モデルを構築して数値解析を行った。初期的な解析結果として、外部振動と磁場を同時に印加しているときの、誘電性流体中に分散したグラフェンの反強磁性に起因する磁力とせん断流れによって生じる流体力の相互作用を明らかにした。解析結果の検証のための実験系の試作を進めている。 さらに、新規液晶を用いた環境発電デバイスについて米国の研究グループと共同で新しく取り組みを開始した。2022年度中頃までに初期的なコンセプト検証を終える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初目的としていた課題について、実験系の構築、初期的な試験結果の獲得、解析モデルの構築に加えて初期手な数値解析結果を得ることに成功している。しかし、学会発表や論文公表などに至れていないため「やや遅れている」を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
速やかに理論と実験結果とを整合させ、成果発表を行う。 また、新規液晶を用いた環境発電デバイスについて米国の研究グループと共同で新しく取り組みを開始したので、こちらの研究開発も同時に行っていく。
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Causes of Carryover |
想定よりも旅費が少なくなったため
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