2021 Fiscal Year Research-status Report
振動子ネットワークを用いたファンクショナリズムな振動制御系設計
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20K14681
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
本宮 潤一 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (80781690)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 振動制御 / 非線形振動子 / ネットワーク構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,動吸振器を用いた振動制御問題を通して,所望の機能を持ったネットワーク構造を技術者自身が自由にデザインするための基盤を築くことである.ネットワーク構造とは頂点と枝のみで構成される比較的変化しにくいネットワークの骨格のことであり,ここでは,機能を具現化する機械装置として動吸振器を用い,ネットワーク構造と制振効果(機能)の観点からその制御器設計を試みる. 昨年(2020年度)の研究成果として,高い周波数分解能(高機能性)を有するネットワークはマクロな集団ではなく,振動子自身が多くの素子を持ったミクロ構造を持つことを明らかにした. 今年(2021年度)は,まず,この振動子の設計法およびその性質を調査した結果を整理し,国際学術誌Journal of Adaptive Control and Signal Processingに2本の論文を投稿した.1つは,閉ループ内の振動子の本質的な役割について議論したものであり,もう1つは,振動子と分数階微分の関係について議論したものである.いずれも査読中であるが,査読者らからは高い評価を得ている. そして,その振動子を最小単位(ユニット)とするネットワーク設計に取り組んだ.ここでは,ネットワークのモデルの一つであるホップフィールド・ネットワークを参考に,ネットワーク全体が最終的にエネルギ最小化を達成するように,各ユニットの閾値,ユニット間の重みについて検討を行った.その結果,振動子をユニットとするネットワークを用いて,パターン選択をするという一種のボルツマンマシンが構成できることが明らかになった. また,こうしたネットワークを実装し,その性能を確かめるための実験装置の製作にも着手し始めた.一方,上記の論文執筆,ネットワーク設計に多くの時間を費やしたため,そのネットワーク解析はやや遅れている状況である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年(2020年度)の成果の整理,発表準備に多くの時間を要したため,本年(2021年度)に予定したネットワーク解析がやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
来年(2022年度)は,まず,今年(2021年度)の成果である振動子をユニットするネットワーク設計法およびその性質を整理したものを国際誌等に論文投稿することを予定している.また,計画に遅れが出ている実験装置の設計製作を早急に行うことを予定している.そして,解析と実験の両側面から本研究課題の有効性を示すことを最終目標とする.
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Causes of Carryover |
まず,新型コロナウイルスの蔓延により,学会がオンライン開催となり旅費が発生しなかったこと,また,本年(2021年度)に予定したネットワーク解析が遅れているため,次年度への繰り越しが生じた.繰り越した予算は次年度予算と合わせてネットワーク解析や実験装置の製作,論文投稿料のために使用する予定である.
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